米Analog Devices(ADI)は、監視回路およびウォッチドッグ・タイマ内蔵の複合電源IC「ADP5041」および「ADP5040」を発表した。これらの複合電源ICにより、産業や医療、通信分野向けの機器設計者は、ボードスペースを削減し、電源システムの性能を改善できるようになるという。
ADP5041とADP5040は、3MHz、1.2Aの高効率降圧レギュレータと2個の300mA LDO(ロー・ドロップアウト・レギュレータ)を、小型の20ピンLFCSPパッケージに組み込み、電力密度向上への要求に対応する製品。個別部品による電源ソリューションの場合、最大で14個の部品と126mm2のボードスペースが必要となるが、ADP5041とADP5040は9個の部品と50mm2のボードスペースで実現でき、性能や信頼性の向上およびシステムコストの削減が可能となる。
また、ADP5041レギュレータのオンチップ・ウォッチドッグ・タイマは、プロセッサ・ベースのシステムにおける命令コード実行インテグリティ(完全性)を監視することが可能。あらかじめ設定されていたタイムアウト時間内にストローブを間違えても、プロセッサをリセットできる。外部プログラミング可能な高精度(全温度範囲にわたって±1.5%)のリセット・ジェネレータを有し、低電圧電源線を監視できるほか、広範囲な個別のオプションにより、複数のリセットやウォッチドッグ・タイミングに対応している。
さらに最高96%の高効率スイッチング・レギュレータを用いて熱放逸を低減している。低ノイズのアナログ・アプリケーションでは、低ヘッドルーム電圧で動作し、最高10kHzの周波数で、60dB以上の優れた電源電圧除去比を保つことが可能。出力電圧が調節可能で、外付けの抵抗分割回路を用いて出力電圧を容易に設定でき、3MHzの高速スイッチング周波数により、小型のセラミック・コンデンサを使用できるほか、インダクタなども小型化可能で、ソリューションサイズを縮小しコストを低減することができる。
なお2製品ともにすでに出荷を開始しており、1,000個受注時の単価はADP5041が1.79ドル、ADP5040が1.39ドルとなっている。