STMicroelectronicsは、高耐圧パワーMOSFET「MDmesh Vファミリ」の新製品「STW88N65M5」を発表した。同製品により、高効率なコンシューマ機器/太陽光発電システム用コンバータを実現できるようになるという。
同製品を含むMDmesh V製品は、同社のマルチ・ドレイン・メッシュ技術を積み重ねてきた先端のスーパー・ジャンクション技術であり、定格耐圧は650Vで、競合製品の定格耐圧600Vよりも大きな安全マージンを設け、AC電源ラインの電圧サージに対するパワーMOSFETの耐性を向上させることが可能。
定格650Vにおいて最高の電力効率と電力密度を発揮するため、面積当たりのオン抵抗を低下させ、電力効率に関する主要測定基準値を23%以上向上させており、これにより照明用調光器、コンシューマ機器用電源、太陽光発電システム用コンバータなどの電力変換回路において、放熱により失われるエネルギーを節約することが容易となる。
また、同製品を標準TO-247パッケージに実装した場合、オン抵抗は従来品の0.038Ωから向上し、業界最小クラスの0.029Ωを実現することが可能。これにより、オン抵抗が大きなパワーMOSFETの置き換えによる高効率化や、使用部品点数の削減による組み立てサイズの小型化および部材コストの低減が可能になる。
なお、同製品はTO-247パッケージで提供されており、1000個購入時の単価は約20ドルとなっている。