Texas Instruments(TI)は、次世代の2出力ゲート・ドライバとして「UCC27210」、「UCC27211」および「UCC27524」の3品種を発表した。これらの製品は既存のMOSFETドライバ・ポートフォリオを拡張し、高密度の絶縁型電源の電力変換効率および信頼性を向上するものとなっている。

UCC27210およびUCC27211は、最高120Vのハイサイド(高圧側)ブートストラップ電源に対応する、ハイサイドおよびローサイド(低圧側)制御用の2出力MOSFETドライバで、UCC27210が疑似CMOS入力、UCC27211がTTL入力となっており、ハイサイドおよびローサイド両方のNチャネルFETを駆動する。

最高4Aの出力電流を提供するとともに、ドライバ入力において-10Vの直流電圧への耐久性を提供する他、整流ダイオードなしでゲート・ドライブ用のトランスからの直接接続が可能。伝搬遅延時間が18ns(代表値)と高速なことから、高周波ハーフブリッジおよびフルブリッジの複数の電源トポロジをサポートする。また、プルアップ抵抗およびプルダウン抵抗が0.9Ωと低いことから、MOSFETがミラー効果によるゲート-ソース電圧の平坦部を遷移する際のスイッチング損失を最小化する。

これらにより、通信、サーバおよび産業用の電源デザインにおいて、100Vまでの電圧サージ保護機能を提供するとともに、電力変換効率および信頼性の向上に貢献することが可能だ。

UCC27524は、二次側の同期整流MOSFETおよびIGBTパワー・スイッチ向けの5A、2チャネル内蔵のローサイド用ドライバ。低パルス幅歪および高効率の他、13nsの伝搬遅延時間、7nsの立ち上がり時間、チャネル間で1ns以内の出力遅延の一致性などの高速性能を提供する。4.5V~18Vの電源範囲で動作し、出力を並列接続することでより高い駆動電流にも対応可能で、モーター駆動システムをはじめとした出力電流10Aまでのアプリケーションをサポートする。

UCC27210およびUCC27211は8ピンまたは10ピンで、4mm角の8ピンSONおよび8ピンSOICパッケージで供給される。UCC27524は業界標準の8ピンSOICおよびPDIPパッケージで供給される。また3mm角の8ピンWSONパッケージの製品は、2012年第1四半期内に供給の予定。なお、1000個受注時の単価(参考価格)は、UCC27210およびUCC27211が1.50ドル、UCC27524が0.70ドルとなっている。

TIの2チャネル内蔵ローサイド用ドライバ「UCC27524」の製品写真