SIJテクノロジは1月12日、世界最少クラスの液滴が吐出可能な「超微細インクジェットヘッド組込みユニット」を1月18日より発売すると発表した。同製品は、導電インクや絶縁インク、接着材、タンパク質など様々な材料を世界最少サイズの液滴で吐出可能な産業用非接触ディスペンサであり、超微細インクジェットヘッドと制御ボックスで構成されている。

同社の超微細インクジェット技術の吐出量は、0.1fl(フェムトリットル)~数十pl(ピコリットル)であり、既存の産業用インクジェットやディスペンサでは不可能であった微小領域での非接触塗布を実現することが可能。また、既存インクジェットでは不可能な10,000mPa・s(ミリパスカル秒)の高粘度液が吐出可能となっている。

これまで同社では主に大学や公的研究機関、民間企業の研究開発部門向けに、超微細インクジェットの研究開発用装置を販売してきており、今回の超微細インクジェットヘッド組込みユニットはそれらで得られた知見を生かして産業用にカスタマイズした汎用製品として販売する。

同製品により、プリンテッドエレクトロニクスにおいては、シングルミクロンオーダーの有機トランジスタの配線やタッチパネル・電子ペーパーなどの電極形成が可能となる。また、必要な量の材料を正確な場所に部分塗布するため、コネクタの接点のみに金を塗布する部分めっきにより高価な金の使用量を削減できる他、接着剤のはみ出し量を最小限に制御する局所塗布やカラーフィルタなどの点修正に利用可能となっている。

さらにバイオ分野で扱われる高価な試料や希少な試料を数μl程度の必要量でスポッティング可能で、ほぼ最後まで使い切ることができるため貴重な試料を節約することも可能だ。

超微細インクジェットヘッドと制御ボックス