Wind RiverとInfineon Technologiesは、複数年にわたる提携の一環として、InfineonのTriCoreマイクロコントローラアーキテクチャ向けに、Wind River Diab Compilerを最適化し、統合ソフトウェアツールのラインアップ拡張で協業すると発表した。Wind RiverのWind River Diab Compiler用アップデートには、TriCoreアーキテクチャ向けの強化機能が含まれており、TriCore開発者は性能向上とソフトウェアフットプリントの縮小を図ることができる。
InfineonのTriCore 32ビットマイクロコントローラは、高性能とリアルタイム機能を備えており、パワートレーン、パッシブセーフティシステム、エンジン制御、エネルギー管理、シャーシコントロールといった、大量の計算を要する自動車アプリケーションに広く使用されている。
Wind River Diab Compilerは組込ソフトウェアツール環境で、C/C++コンパイラ、アセンブラ、リンカ、ANSI C/C++ライブラリに加えて、ARM、Power、SuperH、TriCoreなどの各種プロセッサアーキテクチャをサポートする命令セットシミュレータなどが搭載されている。Diab Compilerテクノロジは25年以上にわたり、自動車システム、インダストリアルシステム、航空宇宙・防衛システムといった、ミッションクリティカルなアプリケーションに広く使用されている。
両社は今後も、最新規格ISO 26262への準拠の必要性をはじめとする自動車分野に特有のコンパイラ要件についても協業を続けていく。ISO 26262は、機能安全規格IEC 61508を自動車用電気/電子システム向けに特化させたもので、開発プロセス(要求仕様、設計、実装、インテグレーション、検証、妥当性確認、コンフィギュレーションなどの作業)の機能安全面に適用される。