印刷ネット通販の舞台裏を探るために、アルプスPPSで実際に注文を受けてから印刷出力、そして後加工から発送までの一通りの工程に立ち会ってきた。 第一回は印刷用のプレートづくりまで、第二回は印刷出力の工程までを見学した。最後は加工の工程を見ていく。

出力が終わり、紙が乾くと、後加工の作業に入る。出力した紙の枚数を確認できたら、適切なサイズに断裁する。断裁後には、主に折り加工と綴じ加工といった加工の作業に入る。このあたりの工程も、基本的には通常の印刷作業と変わらない。各工程に数多く配備する、経験豊富な職人が、手際よく対応することで、効率的な体制を維持しているのだ。

機械を使って、枚数を確認する。指定した枚数ごとに付箋を入れてくれる
断裁前に、紙の微妙なズレを、機械が出す空気で調整しながらきれいに整える

紙の束の状態を整え終えたら、いよいよ紙を断裁する。断裁した後に加工が必要なものは次の工程へうつる。折り加工は、ローラーの圧を利用して自動で行う。蛇腹折りのような複雑な折りにも対応できる



綴じ加工は、針金などで綴じてから、ローラーで紙の厚みを調節する

最後も頼りは「職人の目」

一通りの加工作業を終えると、最後の仕上げの工程に移る。ここでも検品専門の職人が、最終状態をチェックする。この工程で引っかかると、場合によっては出力からやり直すケースもあるが、そこを厭わないからこそ、印刷通販としては後発のアルプスPPSが、すでにユーザーから多くの信頼を得ている秘訣でもある。検品は最終状態によっては、1枚ごとに丁寧に見ることもあるそうだ。検品を通過したら、ようやく納品に向けて、送付のための準備に入る。


加工の終わった印刷物は、専門の職人が最終的な検品をする。最後の最後まで手を抜かない

送付用の伝票もデジタル管理しながら発行。データチェックから発送まで1つのバーコードで管理されていくため、送付上のトラブル回避にもつながる 梱包作業を終えたら、荷台に積み入れて、ようやく作業が終了

高品質の印刷を実現する秘訣は、各工程で怠らない配慮

すべての工程を通して印象的だったのが、必ず慎重な確認作業を怠らない点だった。最新機器を導入したデジタルの利点と、機械任せにせず、経験豊富な職人の目を通すアナログなアプローチを、うまく融合して、印刷通販に抱く先入観を覆すような、品質の高い印刷を実現していることがわかる取材となった。

また、アルプスPPSでは年末に向けて年賀状のサービスを開始した。官製の年賀状は金券のため、印刷において失敗が許されない。正確さや丁寧さが要求される仕事である。


4面年賀状印刷のようす。官製ハガキでの制作、単面もしくは4面付きはがきの選択が可能だ。単面はがきはフルカラーで300枚18,000円から、4面付きはがきは300枚21,000円から受け付けている。納期は7日間の予定。断裁料は別なものの、枚数的には単面印刷よりも4倍分刷れるため、お得なメニューとなっている。


単面(1面)年賀状印刷と年賀状検品の様子。機械と人の手で丁寧に制作・検品された品がユーザーへと送られる。

価格などについて詳しくはアルプスPPSのWebページで。