富士通と富士通研究所は12月16日、ビッグデータと呼ばれる多種大量のデータを負荷の増減に迅速に対応して分散並列処理を行う複合イベント処理技術を開発したと発表した。

ビッグデータからリアルタイムで価値を引き出すため、複合イベント処理技術が開発されてきたが、従来の処理方法で負荷の増減に対応するには処理を止めざるを得なかった。

今回、両社が開発した複合イベント処理技術は、処理を細粒度化し、その細粒度化された処理を実行中に他のサーバに移動する技術、および移動させる処理候補を最適に選択する技術によって構成される。これにより、時系列データの負荷増減に素早く対応して、イベント処理全体をサーバ間で動的に拡張・縮退可能とするとともに、処理自体の高速化も実現する。

分散並列型複合イベント処理の基本構成 イメージ

同技術は、ビッグデータを処理する際に高い処理性能を維持しながら、複合イベント処理を止めずに負荷の増減に対応することを可能にする。これにより、大規模な時系列データを、処理に必要なリソースだけを使用して、リアルタイムかつノンストップで解析するサービスが実現される。

分散並列型複合イベント処理技術の適用イメージ

研究の一部は、経済産業省からの平成22年度、23年度の委託業務「次世代高信頼・省エネ型IT基盤技術開発・実証事業」として実施されたもので、2012年度内の実用化を目指している。