近年注目が高まっているネットプリントサービスを、クオリティにこだわるクリエイティブ集団「蝉 semi」がレビューする本企画。彼らは国内最大級のデザインイベント「TOKYO DESIGNERS WEEK 2011(以下、TDW)」に出展するということで、同イベント会場などで配布するフライヤー制作に、印刷通販「アルプスPPS」を活用してもらっている。

「蝉 semi」のメンバー。左から、鎌田慎也氏、鹿毛雄一郎氏、石川大輔氏

リサイクル素材を使用した彼らのプロダクト。フラップが取り替え可能な「ショルダーバッグ(M)」

前編では「アルプスPPS」のテンプレートを使いフライヤーのデザインを完成させた。後編では入稿作業の具体的なプロセスを紹介したい。

「アルプスPPS」のデザインテンプレート

完成したフライヤーのデザイン

入稿作業はカンタン

デザインが完成し、いよいよデータの入稿作業に入る。まずは用紙の種類や、サイズ、発送日、部数、カラー設定などを選択。今回はフライヤー制作なので、もっとも近いチラシを選択した。ほかにもポスター、名刺、ポストカード、はがき、スタンプカード、チケットなど幅広い用途に対応している。

次はオプションメニューで用紙、サイズ、発送日、部数、カラー設定を選択する。用紙はコート、マットコート、上質紙、アートポストの4種類、さらに異なる重さの紙から選ぶことができる。今回はマットコート180を選択した。サイズはA3~A7、B4~B8まで用意されている。折加工などのオプションもここで指定する。加工オプションとして、折り、穴あけ、角丸、ミシン目などが用意されている。今回はA4、二つ折り加工を選択した。部数は100部~200,000部、カラーは片面1色、両面1色、片面4色、表1色から料金に応じて選択可能だ。

発送日は最速で翌営業日~7営業日まで指定可能。最速で翌営業日には発送されるというのは、タイトなスケジュールを抱える者には非常に心強い。

オプションメニューの選択画面

続いて、制作環境情報や、入稿データ形式、入稿方法、Web校正サービス(無料)の有無、使用フォントなどを指定する。制作環境情報はMacintosh8.x以下~10.6.xまで、Windows95~7まで網羅している。入稿データ形式はPDF、InDesign、Illustrator、Photoshop、Word、Excel、Powerpoint、Publisherから選択する。入稿方法は、ウェブ入稿、郵送、持ち込み、アルプス簡単アイコンと呼ばれるFTP入稿から選べる。

制作環境情報、入稿データ形式の選択画面

入稿方法の選択画面

先述のように、希望すればWeb校正サービスも利用可能である。これは、アルプスの方でデータチェック後のPDFファイルを利用者が確認し、間違えが無い場合に承認をしてから印刷工程へ進むというサービス。より確実に間違いをなくしたい場合に有用である。あわせて、使用フォントを記入する。

Web校正サービス、使用フォントの選択画面

後は、届け先や配達時間帯、支払い方法を選択するだけだ。届け先が1カ所であれば送料は無料(沖縄県、一部離島は除く)。支払い方法は、ペイジー、コンビニ、クレジット、銀行振込、来店時代金引換、代金引換から選べる。蝉 semiの石川氏は各地を移動することが多いため、時間帯にあわせて届け先を指定した。

お届け先の選択画面

次に、発送元、送付先を確認する。時間帯もこのページで指定する。

発送元、送付先の選択画面

最後に、支払い方法、支払い金額を確認する。ペイジー、コンビニ、クレジット、銀行振込、来店時代金引換、代金引換から選べる。

支払い方法、支払い金額の選択画面

これでデータ入稿作業は終わりである。なお、実際の印刷に使用する機械、インキ、用紙を使った本機校正も利用可能だ。

完成したフライヤーがいよいよ手元に

今回制作したフライヤーが、ついに届いた。「データ入稿時と仕上がりのイメージも遜色なく、いい色に仕上がっている」と、石川氏。今回のように大量の印刷が早急に必要なときにはぜひまた活用したいと、話してくれた。クオリティに厳しい彼らも、仕上がりに満足のようだ。

フライヤー内面

完成したフライヤーは来場者の元へ

こうして厳しいスケジュールの中、フライヤーはTDWに間に合い、同イベントの蝉 semi展示ブースは最後まで盛況のうちに終わった。石川氏は「TDW 2011で使用されたバナーを使ったプロダクトを作ることが決まり、製作に取りかかっています」と、すでに次に向けて動き出しているようだ。

賑わいをみせる、TDWでの蝉 semi展示ブース

見本を見ながらバッグの色を選ぶ来場者