テクトロニクス社は、高電圧差動プローブの新製品4機種(THDP0100型、THDP0200型、TMDP0200型およびP5202A型)と、既存3機種(P5200A型、P5205A型、P5210A型)の機能アップグレードを発表した。
これらの高電圧差動プローブは、次世代パワー・デバイスを使用した高効率電源/インバータ評価で直面する測定問題を解決するプロービング・ソリューションという位置づけで、周波数帯域、ノイズ・レベル、ダイナミック・レンジ、およびCMRR(同相ノイズ除去比)を改善し、優れた負荷特性を実現しているという。
次世代パワー・デバイスを使用した回路の解析は、電気/ハイブリッド自動車、工業用アプリケーション、照明、ソーラー技術、サーバなど、広範囲なアプリケーションにおいて、ますます難しいものとなっているが、こうした高効率パワー・デバイス/回路の解析では、信号の高電圧成分、低電圧成分の両方が効率的に測定できる、次世代のプローブ・ソリューションが必要となる。今回の高電圧差動プローブは、以下の3つの特長でこうした要件に対応可能だ。
- 高い周波数帯域:新製品であるTHDP0200型およびTMDP0200型は高い周波数帯域を持ったプローブであり、高速のスルーレートを持った信号を取込み、SiCやGaNなどのの設計回路でも正確に測定することが可能である
- 広いダイナミック・レンジと相応の周波数帯域:高い周波数帯域に加え、ダイナミック・レンジも改善しており、高電圧信号とノイズ、リップル成分を1本のプローブで測定することが可能。THDP0100型では、±6000Vの広いダイナミック・レンジによる差動/コモンモード測定仕様がある。
- 小さなプローブ負荷:プローブを回路に接続すると、それによって回路動作に影響を及ぼし、問題を引き起こすことがあるが、新製品のプローブでは、高電圧プローブでありながら高い感度と低容量負荷を実現している。アップグレードされたP5210A型と新製品のTHDP0100型は、共に40MΩという抵抗と2.5pF以下の容量負荷を実現している。
なお、TMDPシリーズおよびTHDPシリーズは、同社の3.5GHzまでのオシロスコープで標準的に採用されているTekVPI(Tektronix Versatile Probe Interface)で接続されるほか、安全性を高めるためEN61010-031に適合している。
価格は、P5200A型が10万6000円、P5202A型が15万5000円、P5205A型が15万5000円、P5210A型が30万8000円、THDP0100型が33万8000円、THDP0200型が19万8000円、TMDP0200型が19万8000円(いずれも税別)となっている。