STMicroelectronicsは、付加価値コンテンツの保護ならびにマルチスクリーンTVソリューションを提供するプロバイダKudelski Group傘下のNAGRAの先端STBミドルウェア「OpenTV 5」対応の認定ドライバを発表した。
これによりSTのビデオデコーダ「STi7105/STi7108」やブロードバンド用SoC「Orly」を搭載する様々なSTBに対し、OpenTV 5を導入する事業者やOEMメーカーは、同ドライバを活用することで製品開発期間の短縮を図ることが可能となるほか、最小限のカスタマイズによりネットワークの統合が可能となるため、OpenTVのオープン・アーキテクチャ、エコシステム、および先進的なユーザ・インタフェースを利用することで、プロジェクトを迅速に完了することが可能になると同社では説明している。
OpenTV 5対応STB用ミドルウェアは、基本的なTV放送、オン・デマンド・コンテンツやOTT(Over-The-Top)インターネット・ビデオに至る様々なサービスのサポートに必要な中枢機能を提供しており、これらの機能には、標準TV放送サービス、ビデオ/オーディオ制御、PVR(Personal Video Recorder)、セキュリティ、ホーム・ネットワーク、番組ガイド、IPベースのサービスなどのサポートが含まれている。
また、STのチップはNAGRA On-Chip Security(NOCS)を内蔵しており、OpenTVドライバが利用可能であるため、ハードウェアのルート・オブ・トラスト(信用のルーツ)を使用することで、機器の完全性を保証するほか、NAGRAのコンディショナル・アクセス(CA)およびデジタル著作権管理(DRM)ソフトウェアと共に使用することで、強力なコンテンツ保護環境を構築することもできる。
なお、両社は2012年前半に、STの移植プラットフォームを使用し、STの半導体と統合されたOpenTVミドルウェアを提供する予定としている。これにより、放送事業者やSTB OEMメーカー各社は製品開発にかかる全体的な時間を短縮することができるようになるという。STのドライバ・ソース・コードはすでに無料で入手可能な状況となっており、OTA(Over-The-Air)アップグレードを使用することで、従来のプラットフォームに導入可能となっている。