日本インフォア・グローバル・ソリューションズ 代表取締役社長 村上智氏

日本インフォア・グローバル・ソリューションズは12月9日、セールスフォース・ドットコムのクラウド型アプリケーション・プラットフォーム「Force.com」 上で稼働するアプリケーション「InForce」を日本市場において提供開始すると発表した。

日本インフォア・グローバル・ソリューションズの代表取締役社長を務める村上智氏は、「今年のDreamforceでSalesforceとの提携が発表されたが、今回の発表はそれを具現化したもの。2社の提携は3つの意義があると考えている。1つ目の意義はERPとCRMが統合されるようになることだ。Salesforce.comのフロントエンドから容易にバックエンドのシステムのデータにアクセス可能になる。2つ目の意義はこれまで手間と時間がかかっていたCRMとERPの連携が超高速で行えるようになることだ。連携だけなら1日でできる。3つ目の意義はソーシャルエンタープライズの促進で、企業の部門間の繋がりのソーシャル化を促進していきたい」と語った。

セールスフォース・ドットコム 専務執行役員 アライアンス&サービス統括本部長 保科実氏

発表会には、セールスフォース・ドットコム 専務執行役員 アライアンス&サービス統括本部長の保科実氏も出席。同氏は、「当社が提供しているCRMが単独で使われることはなく、オンプレミスのERPシステムや顧客管理のクラウドサービスと組み合わせて使うケースが多い。また、これまではCRMとERPを統合する際は数億といった巨額のコストと膨大な時間がかかっていた。しかし、InForceを使えば、容易かつ低コストでCRMとERPの統合が実現される。また、CRMからERPまでエンドー・ツー・エンドでつながることも有意義」と述べた。

Force.com上に展開されるInForceアプリケーションは「InForce Everywhere」「InForce Ordering Cloud」「InForce Marketing Cloud」の3種類だ。インフォアの標準統合プラットフォームであるIONをコネクタとして、インフォアのERP製品とInForceアプリケーションは連携する。

日本インフォアの各種製品とセールスフォース・ドットコムのアプリケーションの連携の仕組み

InForce Everywhereは、インフォアの標準統合プラットフォームであるIONと接続して、ERPシステムとCRMアプリケーションのデータの同期を図る。請求書、契約書、見積書、オーダー、出荷、請求書、支払い、返品などの顧客関連情報を全社レベルで把握することを実現する。

InForce Everywhereの仕組み

InForce Ordering Cloud は「コンフィグレーション」「価格」「見積り管理」「受注管理」「提案管理」といった複雑な製品オーダーに関する機能を提供する。

InForce Marketing Cloudは、電子メール、キャンペーン、リードマチュレーションのインバウンド、アウトバウンド管理といったマーケティングに関する機能を提供する。

3つのアプリケーションのうち、InForce Everywhereが先行してリリースされる。まず2012年の第1四半期に英語版のInForce Everywhere 10.1が、同年第2四半期に日本語を含む多言語対応の同アプリケーションが発表される予定。InForce Ordering CloudとInForce Marketing Cloudは同年第4四半期のリリースが予定されている。