12月8日、帝国データバンクと東京商工リサーチから2011年11月の全国企業倒産の集計結果が発表された。同月の倒産件数と負債総額は、帝国データの発表では971件/1,905億3,800万円、商工リサーチの発表では1,095件/1,876億7,500万円となっている。
帝国データバンクの調査結果
2011年11月の全国企業倒産の件数は、前月比(906件)比で7.2%、前年同月比(935件)も3.9%の増加となり、3ヵ月ぶりに前年同月を上回った。前年同月比の推移を見ると、1ケタ台で増減を繰り返しながらも、徐々に反転の兆しを見せはじめている。
2011年11月の全国企業の負債総額は、前月(1,329億1,700万円)比は43.4%の増加となったが、前年同月(2,739億2,300万円)比は30.4%の減少となった。9月の1,929億3,400万円以降、3ヵ月連続で1,000億円台の低水準が続いている。
全国企業倒産件数・負債総額の推移 資料:帝国データバンク |
業種別では、小売業(198件、前年同月比32.9%増)とサービス業(188件、同19.0%増)の2業種で前年同月を上回り、小売業は今年最多を記録した。一方、建設業(240件、同6.3%減)、製造業(118件、同13.9%減)などの3業種は前年同月を下回った。このほか、運輸・通信業、不動産業の2業種は前年同月比横ばいとなった。
地域別では、9地域中6地域で前年同月を上回った。なかでも中部(138件、前年同月比31.4%増)、中国(40件、同66.7%増)、四国(27件、同50.0%増)で増加が目立った。一方、東北(23件、同48.9%減)は大幅に減少し、2005年2・3月(24件)を下回り、過去10年で最少となり、北海道、近畿でも前年同月を下回った。
商工リサーチの調査結果
2011年11月の倒産件数は、前年同月(1,061件)比で3.2%増となり、今年7月以来4ヵ月ぶりに前年同月を上回った。同社では、「中小企業金融円滑化法や景気対応緊急保証、セーフティネット貸付のほか、「東日本大震災復興緊急保証」などの政府の資金繰り支援策の下支え効果が続いているなか、今後の推移が注目される」と分析している。
2011年11月の負債総額は、前年同月(2,738億3,000万円)に比べて31.4%減少し、11月としては1989年(813億1,400万円)以来、22年ぶりに2,000億円を下回った。これは負債10億円以上の大型倒産が同48.2%減の30件(前年同月58件)と、6月(28件)に次いで10月と並び今年2番目に少なかったことによる。
全国企業倒産月次推移 資料:商工リサーチ |
産業別では、農・林・漁・鉱業・建設業・製造業・卸売業・小売業・金融/保険業・不動産業・運輸業・情報通信業・サービス業他の10産業のうち、7産業が前年同月を上回った。増加したのは、融・保険業50.0%増(4→6件)、運輸業17.3%増(23→27件)、不動産業17.2%増(29→34件)、サービス業他14.5%増(240→275件)、小売業13.2%増(121→137件)、情報通信業4.3%増(46→48件)、建設業1.8%増(275→280件)。
主要産業倒産件数推移 資料:商工リサーチ |
地区別では、北海道・東北・関東・中部北陸・近畿・中国・四国・九州の9地区のうち、5地区で前年同月を上回った。増加したのは、、中国92.3%増(26→50件)、中部32.7%増(107→142件)、九州28.5%増(63→81件)、四国22.2%増(18→22件)、北海道2.7%増(37→38件)。