半導体製造装置大手の東京エレクトロン(TEL)は、これまで技術的に難しいとされていた、パワー半導体向けのウェハ状態でのダイナミック試験(デバイスのスイッチング・動特性試験)を可能にする装置の開発に成功したことを発表した。
先端のパワー半導体は、複数のパワー半導体を1つのモジュールへ実装し、インテリジェント化することから、最終製品での不良品率低減が課題となっている。このため、パワー半導体を実装する前のウェハ状態で、実装後の試験と同等なダイナミック試験を行いたいというニーズが高まってきていた。
従来、ウェハ状態ではスタテック試験(静特性試験)だけを行い、ダイナミック試験は実装後に行っていた。今回、同社は、ウェハプローバをベースに開発した装置を用いることで、スタテック試験だけでなくダイナミック試験もウェハ状態で可能であることを実証したという。
なお、同装置を用いることで、従来のパッケージング状態での試験に比べ、次世代パワー半導体の開発スピード向上や、製品不良の早期発見、また最終製品のパッケージングコスト低減などが可能になるという。