テクトロニクス社は、次世代のPCI Express(PCIe)仕様であるPCIe 3.0をサポートする、ロジック・プロトコル・アナライザ・モジュール「TLA7SA08型/TLA7SA16型」向けに新たなソフトウェア機能を発表した。

今回発表されたのは「バード・アイ・ビュー(BEV)」で、これを用いることで解析が難しかったフロー制御問題を視覚化して調べることが可能になるという。また、1クリックによる校正機能、オート・コンフィグレーション機能も追加された。

BEVは、情報を視覚化する機能で、デバッグで最も難しいとされていたPCIeのフロー制御問題を迅速に調べることが可能だ。従来、プロトコル・ツールでは、デコードされたパケット・データしか観測できなかったが、トランザクション・ウィンドウにより、プロトコルの様子を、パケット・レベル、トランザクション・レベルで物理レイヤの動きと共にまとめて表示することが可能となった。

BEVはトランザクション・ウィンドウに完全に統合され、すべてのアクイジションを高次元で観測することが可能。BEVウィンドウで問題らしきものが観測された場合は、BEVを使用してすばやく疑わしいデータにたどり着くことができるほか、トランザクション・ウィンドウで関連するデータを観測することで、問題の原因と思われるイベントを検出し、特定することが可能だという。

また、1クリック校正は、ロジック・プロトコル・アナライザのアクイジション・ハードウェアとトリガ機能を組み合せて徹底的なテストを行い、数千通りの機器設定を最適にセットアップして、ビット・エラーなしにデータを取込むことが可能になるというもの。そしてPCIeパーソナライゼーション機能は、セットアップ時間を短縮し、すぐにデバッグを開始できるようにするもので、ソフトウェアがTLA7SAシリーズ・モジュールを自動的に検出し、PCIeプロトコル・アナライザのセットアップ・スクリーンを表示し、自動コンフィグレーション・プロセスを開始、これが終了すると終わるとデータの取込みが開始でき、取込中に自動的に開くリスト・ウィンドウ、トランザクション・ウィンドウで観測することができるようになる。

さらにオート・コンフィグレーションは、PCIeのリンクの状態に応じてリンク速度、レーン順序、レーン極性など、ロジック・プロトコル・アナライザの動作パラメータを自動的に設定できるソフトで、セットアップ・ウィンドウと詳細な校正テーブルにより、被テスト・システムの動作状態がほぼリアルタイムに確認でき、アクイジションの前であっても、1スクリーンで確認することが可能になるという。

なお、これらの機能を搭載したTLA7SA08型およびTLA7SA16型ロジック・プロトコル・アナライザ・モジュールは、すでに販売が開始されており、価格はTLA7SA08型(8チャネル、ロジック・プロトコル・アナライザ・モジュール)で718万円(税別)、TLA7SA16型(16チャネル、ロジック・プロトコル・アナライザ・モジュール)で898万円(税別)としている。

TLA7SA16型モジュールの概観