富士ゼロックスは、紙に書いた手書き情報を電子化できるデジタルペン「Denshi-Pen」と、ユーザーが通常業務で利用する帳票を「Denshi-Pen」で使用可能な帳票にカスタマイズするソフトウェア「Denshi-Pen Form Solution 1.0 J」を12月9日から発売すると発表した。
価格は、Denshi-Penが9,980円、Denshi-Pen Form Solution 1.0 Jが49,800円(いずれも税別)。
Denshi-Penは、同社の複合機で印刷可能な位置情報などのデジタルコードが埋め込まれた紙に手書きした情報をペン内部のメモリに保存。付属するUSBケーブルでPCに接続し、デジタルデータとして取り込む。位置情報を記憶しているため、手書きした場所と同じ位置に貼り付けることができる。文字認識によりテキスト変換もでき、書き順なども記憶して判断材料に利用しているので、OCRに比べ、高い認識率を発揮するという。同社の調査によれば、一般的な手書き文字認識率は、通常のOCR処理では約40~50%だが、Denshi-Penのような筆順も把握する方式では、約80~90%になるという。
紙には、文書IDと位置を特定するXY座標を埋め込んだものを使用し、数千億枚の紙を識別できるコード体系となっている。印刷可能な複合機は「ApeosPort-IV C5575」シリーズ、「DocuCentre-IV C5575」シリーズ、「DocuCentre-IV C2263」シリーズ。ペンのメモリは約120MBで、約8万字を記憶できるという。
おもに保守点検の現場や工場の生産工程現場での利用を想定しており、これらの現場ではこれまで、ペンで帳票に記載した内容をオフィスに戻ってから改めてPCへ入力し直していたという。