矢野経済研究所はこのほど、中小企業のIT化に対する取り組みについての調査を実施し、その結果を発表した。この調査は中小企業のIT化についての実績を保有する全国のソリューションベンダーを対象に、直接面談や電話アンケートにより行われたもの。
それによると、中小企業のIT化市場について「有望」と回答した企業が47%と約半数に上り、8割以上のベンダーが、現在注力している、または今後注力する意向であることが明らかになった。中でも、クラウドソリューションについては95%が「有効である」または「今後は有効である」と回答しており、クラウドが中小企業のIT化に有効であるという見解が大多数を占めた。
また、スマートフォン向けソリューションに関しては、顧客である中小企業からの需要があるという回答が76%に上っており、同社ではベンダー各社が「他社に先んじるべく、 スマホを活用したソリューション開発への取組みを積極的に進めているもの」と推測している。
中小企業のIT化においては、オーナー経営の割合が高いために経営に直結したニーズが実現しやすい構図がある。一方で、経営者の理解が得られないと全く進展しないケースや、導入意欲が高くても資金面で計画が頓挫するケースも多いとされることを指摘。同社ではこれについて、「ベンダー各社も、経営者目線に立ったソリューション提案が求められる」と分析している。