日本ヒューレット・パッカードは12月1日、3つのストレージ新製品を発表した。

日本HP エンタープライズサーバーストレージネットワーク事業統括 HPストレージ事業本部 事業本部長の飯尾光國氏

今回発表されたのは、パフォーマンスとスケラービリティに優れた重複排除バックアップストレージ「HP B6200 StoreOnce Backup System」(以下、HP B6200)、"新共通プラットフォーム"と呼ばれる集積率の高い独自アーキテクチャを採用したミッドレンジ向けファイルサーバーNASアプライアンス「HP X5000 G2 Network Storage System」(以下、HP X5000 G2)、およびHP X5000 G2と同じ共通プラットフォームにMicrosoft Exchange Server 2010を搭載して最適化を施した「HP E5000 G2 Messaging System」(以下、HP E5000 G2)の3製品。

ハイエンド重複排除ストレージ「HP B6200」

上位3製品のうちHP B6200は、重複排除機能を持つバックアップストレージ製品群「HP StoreOnceファミリ」の最上位機種に位置づけらている。「重複排除機能を搭載したバックアップストーレジとしては業界最速」(日本HP エンタープライズサーバーストレージネットワーク事業統括 HPストレージ事業本部 事業本部長の飯尾光國氏)という28TB/時のスループットを実現しているほか、スケールアウト型のアーキテクチャを採用しており最小32TBから最大512TBまで自由に論理容量を拡張可能。加えて、「4kBという極小サイズの可変チャンクを採用していることから重複排除率も高い」(日本HP エンタープライズサーバーストレージネットワーク事業統括 HPストレージ事業本部 製品マーケティング部 担当マネージャーの諏訪英一郎氏)と言い、重複排除前のデータに換算すると最小640TB、最大10TBを保存できるとしている。

日本HP エンタープライズサーバーストレージネットワーク事業統括 HPストレージ事業本部 製品マーケティング部 担当マネージャーの諏訪英一郎氏

また、「クラウド環境や複数拠点をまとめてバックアップをとるような大規模システムでの利用を想定している」(諏訪氏)ことから可用性も重視しており、「バックアップシステムとしては珍しく、データ保存部分だけでなく、処理ノードやアクセスノードも二重化している」(諏訪氏)という点も大きな特徴の1つになっている。

参考価格は、データ容量32TBの最小構成で2100万円。

共通プラットフォーム採用のNASアプライアンス「HP X5000 G2」

一方、HP X5000 G2は、ミッドレンジを意識したWindows環境向けのNASアプライアンス製品になる。ファイルサーバ向けOS「Windows Storage Server 2008 R2 Enterprise」を搭載している。

最大の特徴は、「IAサーバをストレージサービス用に最適化し、コンパクトと使いやすさを極める」(諏訪氏)という同社の新アーキテクチャ「共通プラットフォーム」を採用した点。1筐体にブレードサーバ2台と高密度なディスクエンクロージャを搭載しており、従来はサーバ2台/ストレージ2台で合計8Uのスペースが必要だったものが、3Uで収まるようになっている。また、ウィザードベースの環境設定ツールが用意されており、クラスター構成のNASも容易に構築することが可能という。

参考価格は9.6TBの最小構成で451万5000円。

共通プラットフォームを採用した筐体(製品はHP E5000 G2)

Exchange搭載アプライアンス「HP E5000 G2」

そしてHP E5000 G2は、上記の共通プラットフォームにWindows Server 2008 R2 EnterpriseとExchange Server 2010などのソフトウェアを組み込んだアプライアンス製品。Microsoftと共同開発したものだが、サポートはHPがワンストップで提供するという。

さまざまな利用シーンを想定し、ユーザー数、メールボックスサイズ、物理ストレージ容量に応じて構成を最適化した以下の3機種5モデルが用意されている。

  • E5300 G2 : 500ユーザー×1GBメールボックス、物理容量12TB
  • E5500 G2 : 1000ユーザー×1GBメールボックス、物理容量16TB
  • E5500 G2 : 1000ユーザー×2.5GBメールボックス、物理容量32TB
  • E5700 G2 : 3000ユーザー×1GBメールボックス、物理容量40TB
  • E5700 G2 : 3000ユーザー×2.5GBメールボックス、物理容量80TB

また、HP X5000 G2と同様、ウィザードベースの環境設定ツールも提供されており、導入をスムーズに進めることができる。

参考価格は、E5300 G2が504万円~、E5500 G2が559万6500円~、E5700 G2が877万8000円~。