東レは、ナノテクノロジーを活用することで、細さと形を制御することが可能な「革新ナノファイバー」技術を開発したことを発表した。
同技術は、単繊維径が1,000nm級から、一般には製造が困難とされていた300nm級までの細さの長繊維型ナノファイバーを、高い均一性で製造することを可能とするもの。すでに繊維径が500nm級のポリエステル長繊維型ナノファイバーについては量産技術も確立し、商業生産が可能な体制が整えられているという。また、精密複合紡糸技術の追求により、複合紡糸繊維の断面形状を自在に制御することを可能とし、世界で初めて異形断面のナノファイバーを創出することにも成功したという。
同社は1968年に高分子相互配列体繊維を生み出し、繊維経1~10μmのマイクロファイバー技術としてさまざまな商品を展開してきたが、今回、こうした高分子相互配列服具お紡糸技術に加えて、超微細ポリマー流制御による精密複合紡糸技術により、ナノオーダーの極限的な細さに加えて、丸断面から三角、六角断面など、繊維の「形」を高精度に制御することも可能とした。
なお、東レでは、同ナノファイバーはさまざまな加工に適用可能であるため、衣料向け素材、医療材料、電池材、環境・水・エネルギー、情報通信・エレクトロニクス、自動車、ライフサイエンスなど非常に幅広い領域で応用が可能であり、今後、製品や用途開発を進め、早期の実用化を目指すとしている。