米Analog Devices(ADI)は11月29日、プロフェッショナル、プロスーマ、および車載オーディオ機器アプリケーション向けに、24ビット、16チャンネル・オーディオD/Aコンバータ「ADAU1966」を発表した。オーディオ・システムの性能改善と消費電力の低減を合わせて実現する。

ADAU1966は、32kHzから192kHzのサンプリング・レートで、118dBのSNR(S/N比)性能を提供する。その際に内部のデジタル部を低電圧で動作させることにより、消費電力を300mW未満に抑えている。デジタル部の電源をリニア・レギュレータを介してオンチップ生成することができるため、アナログ部の電源だけで動作可能となっている。レギュレータをバイパスし、別の2.5Vから3.3Vの電源をチップに供給できる。

また、3Vrmsのフルスケール差動出力電圧で動作し、後段の増幅率を低く抑え、電気的カップリングによるシステムノイズに対しても高いSNRを保持する。内蔵のオンボードPLL(フェイズ・ロック・ループ)を用いて、外部のL/Rクロックから内部マスター・クロックを生成するため、高周波数のマスター・クロックを別途使用する必要はなくなる。

さらにAEC-100車載アプリケーション用として認定済みで、-40℃~+105℃の温度範囲で動作する。また、SPI/I2Cポートを特長としており、このポートを介して、外部マイクロコントローラが音量を調節し、チップ温度を±3℃以内の精度で読み出すことができる。

なお、同製品は80ピンLQFPパッケージを採用し、すでに量産を開始しており、1000個受注時の価格は6.51ドルとなっている。