2011年11月16日から18日まで3日間にわたり、幕張メッセにて国際放送機器展「Inter BEE 2011」が開催された。本レポートでは、出展された各メーカー、代理店などのブースから、注目の最新映像周辺機器をピックアップし、イベントの模様と共にお届けする。
「Inter BEE 2011」が、11月16日から18日までの3日間、幕張メッセ(4ホールから8ホール)にて開催。4K、3D、DSLRといった最新映像制作をサポートする多彩な製品やテクノロジーが展示された |
ローランド
昨今、コストパフォーマンスに優れたビデオ関連機器を相次いで市場に投入し、注目を集めているのがローランド。会場では、HD編集に対応したソフトウェアと、専用コントローラー、著作権フリーの素材などをワンパッケージとした次世代ノンリニア編集システム、ビデオキャンパス「DV-7G」をはじめ、ビデオコンバーター「VC-30HD」および、重量2kgかつA4サイズの軽量・小型のUSBアウト付AVミキサー「VR-30」など、流行のネットストリーミング放送などにベストマッチする各種製品が展示され人気を集めた。
JVCケンウッド
同社展示ブースには、Appleのビデオ編集ソフト「Final Cut Pro」のQuickTimeファイル(MOV)にネイティブ対応した業務用HDメモリーカードカメラレコーダー「GY-HM150」が登場。メモリーカードへの2枚同時記録をサポートすることで、エンドレスな長時間連続記録やバックアップ、重複コピー用の同時記録が可能となっている。また、開発中の4Kに対応したハンドヘルドカメラ「GY-HMQ10」や、マルチフォーマットモニター「DT-E21L4」「DT-E17L4G」なども参考出品された。4K対応カメラについては、現在のところ発売時期など一切未定であるが、既存製品ユーザーからフィードバックなども参考に鋭意開発中とのこと。
パナソニック
3D映像関連機器なども積極的に展開する同社では、P2HDシリーズとして、一体型のニ眼式3Dカメラ/P2HDカメラレコーダー「AG-3DP1」をはじめ、2/3型P2カメラ レコーダー「AJ-HPX3100」、P2HDハンドヘルドカメラ「AG-HPX250」などを展示。さらに、AVCCAMシリーズの一体型の二眼式3Dカメラレコーダー 「AG-3DA1」も来場者の注目を集めていた。なお、ブース入口付近では、AVC Long-GやAVC Class 4:4:4/200などを含む最新コーデックファミリー「AVC-ULTRA」に関する紹介なども行われていた。
オートデスク
プロフェッショナルな映像編集およびフィニッシング作業に対応するハイエンドソフトウェアとして有名な「Smoke」のMac OS X対応版となる「Autodesk Smoke 2012 for Mac OS X」を大々的にフィーチャーし展示が行われた。Linux版同等の直感的なエディトリアルタイムラインと高度な3Dフィニッシングツールにより、編集のみならず、カラーコレクション、ペイント、 ビジュアルエフェクトなどの統合されたワークフローを実現する。なお、最新バージョンでは、Appleの各種ProResコーデック(4444/12bit、422(HQ)/10bit、422/10bit、422 (LT)/10bit、422 (Proxy)/10bit)による出力にも対応した。
キヤノンマーケティングジャパン
先日の発表以来、話題を呼んでいるPLマウント対応のデジタルビデオカメラ「C300」(価格は150万円前後)をはじめとした「CINEMA EOS SYSTEM」シリーズが初展示された。また、4K24P動画がMotion JPEGで記録可能なデジタル一眼レフカメラタイプのモデルや、4K対応の光学性能を持つレンズ群なども参考出品され、多くの来場者により同社ブースは大変な賑わいとなっていた。さらに、発表されたばかりのEOS MOVIEに対応した最新のデジタル一眼レフカメラ「EOS-1D X」(来春3月発売予定)の試作機や、業務用HDTV対応95倍フィールドズームレンズ「DIGISUPER 95」の出展もおこなわれていた。
西華産業
RED Digital Cinemaの高解像度/高速度/高階調を実現したデジタルシネマカメラ「RED EPIC」、RED対応の各種撮影アクセサリー、さらにEPICにリリースされるデジタルスチールモーションカメラ「SCARLET-X」などが出展された。なお、同機では、HDR機能によりダイナミックレンジ最大18ストップまで、5Kで1-12コマ/秒、4Kで1-30コマ/秒での撮影が可能。さらにアクセサリー、モジュールなどがEPICと共通となっているため、EPICとの組み合わせによる撮影も可能とのこと。また、ノーマルフレームレートでの撮影、そして秒間 450コマまでのスローモーション、ファストモーション、ランプ、タイムラプスなど多様な撮影に対応可能なP+S TECHNIKのモーションカメラ「PS-CAM X35」や、CODEXのARRI RAW対応SSDマルチフォーマットレコーダー「ONBOARD RECORDER」も人気となっていた。