パナソニックは、携帯端末向けマルチメディア放送(ISDB-Tmm)規格に準拠した1チップモバイルDTVフロントエンドLSI「MN88551」を開発し、2011年12月より量産出荷を開始することを発表した。同製品は、スマートフォンやタブレット端末などの各種モバイル機器において、2012年春からサービス開始が見込まれる携帯端末向けマルチメディア放送(モバキャス)をはじめとする携帯端末向けマルチメディア放送の視聴を、小型かつ高感度、低消費電力で実現する。
同製品の開発にあたっては、広帯域CMOS-RFを65nm DRAM混載プロセス用にチューニングし、携帯端末向けマルチメディア放送対応の広帯域RFとOFDM復調回路、誤り訂正用メモリを1チップに統合した。加えてWLCSP(4.2×4.5×0.4mm/0.4mmピッチ)を採用し、モジュールおよび端末内での実装面積削減に貢献する。
2012年春サービス開始予定のISDB-Tmmに加え、すでに放送されているワンセグおよびフルセグ規格にも対応する他、2013年以降でのサービスが検討されているISDB-Tsb規格にも対応し、日本国内ISDB-T規格の全方式に対応する。また、高精度・低電力OFDM復調回路により、移動時のフルセグ受信性能を従来比約20%向上している。
さらに高妨害耐性・高感度CMOS-RFと高精度OFDM復調回路により、携帯電話特有の妨害耐性を強化した。RF部の電力を携帯機器向けに最適チューニングすると同時に、OFDM復調部を信号処理量に合わせて最適設計することで、フルセグ受信時の消費電力を同約60%削減した。これにより、高感度かつ長時間視聴を実現する。