米Freescale Semiconductorは、同社のCortex-M4ベースのMCU「Kinetis」に新しく66製品を追加することを発表した。これら新製品は省電力性を高めたもので、2012年第1四半期のサンプル出荷を予定している。

今回発表の製品の最大の特徴は、最大72MHzで動作し、その際の消費電力が250μA/MHzに抑えられていることである。Flash Memoryが64KB~256KB(うちhyperlink経由で最大32KBをFlexMemoryとして利用可)、SRAMは最大64KBが搭載される。パッケージは64pinのLQFPと104ballのMAPBGAが提供される予定だ。

内蔵するアナログ回路としては、2つの独立した16bit A/Dコンバータ(ADC)があり、12bitモードだと1MSPSのサンプル性能があるほか、16bitのDifferential Inputで14.5 ENOB(Effective Number Of Bits)とされる。各々のADCはプログラマブルゲインアンプ(最大64倍)を搭載する。また幾つかの製品には汎用のオペアンプやTRIAMP(トランスインピーダンス・アンプ)、最大3つのアナログコンパレータ、12bit DACや電圧リファレンスモジュールなどが搭載されるほか、42×4セグメントのLCDコントローラやフルスピードUSB OTGコントローラ、LDO(Low DropOut)電圧レギュレータや電圧チャージ検出機能(DCD)、省電力のタッチセンサインタフェース、外部バス、リアルタイムクロックやCANなどを含む通信回路類も用意される。駆動電圧は1.71V~3.6Vで、動作温度レンジは-40℃~105℃とされる。

なお、同社では一部の顧客に対し、今回の72MHzのKinetisのサンプル出荷を2012年1月に開始し、量産は2012年第2四半期を予定している。製品の予想価格は10000個発注時に1個あたり2.59ドルからとなっている。