グリーは11月21日、KDDIと共同で、東京地方裁判所において、ディー・エヌ・エーに対し訴訟を提起したと発表した。

同社による訴訟に至った経緯は、以下のように説明されている。

(1) 本年6月9日、公正取引委員会は、DeNAに対し、同社の行為が不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)第14項(競争者に対する取引妨害)に該当し、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」)第19条に違反するものとして、同法第20条第2項、第7条第2項第1号の規定に基づき排除措置命令を行いました。

(2) 上記排除措置命令によると、DeNAは、特定のソーシャルゲーム提供事業者に対し、当社が運営するソーシャル・ネットワーキング・サービス「GREE」を通じてソーシャルゲームを提供した場合には、当該ソーシャルゲーム提供事業者がモバゲータウン(DeNAが運営するソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて提供するソーシャルゲームのリンクを「モバゲータウン」のウェブサイトに掲載しないこととし、もって「GREE」を通じたソーシャルゲームの提供を妨害したという独占禁止法違反行為が認定されています。(モバゲータウンは、現在、「Mobage」と改称されています。)

(3) 上記排除措置命令に基づき、DeNAは、当該排除措置命令が行われた時点において、上記違法行為を行っていない旨、及び今後上記のような違法行為を行わない旨を同社取締役会において決議し、それを遵守すること、また、そのために必要な独占禁止法遵守行動方針を策定し、必要な社内研修等を実施すること、などが義務付けられました。

(4) DeNAは、上記排除措置命令が行われた後、特にこれを争わなかったようで、当該排除措置命令は、本年8月、確定いたしました。

上記内容から、グリーでは「DeNAによる上記違法行為に対し、どのような対応を取るべきか慎重に検討」したとして、株主に対する経営責任の遂行、ソーシャルゲーム提供事業者など多くの関係者にとっての同業界の健全な競争環境確保などの事情を勘案し、訴訟の提起に至った説明している。

あわせて、グリーと「au one GREE」を共同提供しているKDDIは、この「健全な競争環境確保」の趣旨などに賛同して共同原告として本訴訟に参加することになったという。

なお、主な訴求内容はとしては「不法行為に基づく損害賠償請求」「損害賠償として、金10億5000万円以上(グリー : 9億円、KDDI : 1億5000万円)」とのこと。グリーの発表全文は、同社Webサイトで確認できる。