シマンテックは11月18日、年内のリリースを予定しているストレージ管理製品「Veritas Storage Foundation 6.0」群についての記者説明会を開催し、このうちクラスタソフト「Veritas Cluster Server 6.0」などの新機能を発表した。
星野 隆義氏 |
システムエンジニアリング本部 ストレージ&クラスター製品担当 技術部長 星野 隆義氏は、まずプライベートクラウドの国内市場およびクラウド環境下で進む仮想化について言及。IDCの調査を元に、今後も同市場は高い伸びを続けるとした。
一方で、同社の調査によると、SLAの担保懸念などからクラウドの移行が、足踏み状態になっている兆候も見られるという。これは、よりミッションクリティカルなシステムにおいては「まだ躊躇されている部分があるのではないかと」同氏は述べている。
このような中で、Veritas Cluster Server 6.0は早期の障害発見と、迅速な対処を提供する新機能を搭載した。
障害監視については、「インテリジェント・モニタリング・フレームワーク(IMF)」と呼ばれる機能を搭載。通常の、クラスタソフトは、監視プロセスを生成して障害監視を行うものが多いが、同機能はカーネルレベルでほぼリアルタイムでの監視を行うもの。
定期的なプロセス監視では、障害発生時点から異常を感知するまでに数秒~数十秒程度を要してしまうが、IMFではリアルタイムで監視し、また負荷も低いレベルに抑えられる。
このようなカーネルレベルので監視を実装している製品はすでに市場に存在しているが、同氏によると「特定の製品ではなく、仮想でも物理でも、どのような環境でも、統一されたインタフェースて提供できることがシマンテック製品の強み」だという。
また、障害検出後のフェールオーバーにおいても、より迅速に対応できる機能が加わった。フェールオーバー時には、データアクセスの切替に時間を要してしまう。かかる時間は、システム構成やストレージによって様々だが、同氏の経験談として「ディスクが40本あり、切替だけで40分近くかかった例もある」という。
Veritas Cluster Server 6.0では、すべてのホストでデータ領域へのアクセスが可能となっている。通常は、稼働系ホストのみがデータの「read-write」が可能となっており、待機系ホストは「read-only」になっている。フェールオーバー時には、待機系の「read-only」を「read-write」に変更することで、データアクセス切替にかかる時間を短縮している。
実際にはこの機能は、UNIX版とLinux版ではこれまでも提供してきたものだが、6.0からはWindows版(NTFS環境)でも利用できるようになっている。
このほか、「Veritas Cluster Server 6.0 for Windows」において、Windows Server Hyper-V仮想マシンに対応したディザスタリカバリ機能の提供やHyper-V上の仮想OSを動作したままの状態でほかのハードウェア上に切り替えるライブマイグレーションなどの新機能も追加されている。
なお、Veritas Storage Foundation 6.0の正式な出荷開始日は、12月中に発表の予定となっている。