Analog Devices(ADI)は、高精度のAC電力計測機能を備えた、インターリーブ(二相)・デジタル力率改善(PFC)コントローラ「ADP1048」を発表した。
同製品は、連続モードのPFC方式を採用し、高調波歪を低減することが可能なほか、インターリーブ設計によるインダクタのサイズ縮小、および、ブリッジレス・ブースト・モードでのAC/DC整流器の置換えによる効率改善が実現できる。これにより、あらゆる信号をデジタル・ドメインに変換し、PMBus準拠のインタフェースを介して、入力電圧や電流、電力の高精度な測定などといったパラメータの調節およびレポートが可能になるという。 また、直感的なグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)の採用により、プログラミングしやすく、かつユーザは代替方式のDSPベースのデバイスで必要とされる複雑なコード・プログラミングなしで、最適なシステム設計ができるようになることから、ソフトウェア開発のリソースに必要であったプログラマのリソースを不要とすることできるようになる。
こうした機能などを活用することで、フル負荷電流で±3%の電力計測精度を提供するだけでなく、カスタマ・キャリブレーションにより、その精度を±1%に改善することが可能なほか、非線形コントロール・アルゴリズムによって強化された過渡応答、起動時のオーバーストレスを低減するためのプログラマブル突入電流制御、効率を最大化するためのリアルタイム・プログラミング、さらに信頼性改善のための包括的な故障検出やレポート機能も備えている。加えて、周波数同期を取って周波数ノイズ「ビート(唸り)」を除去することができるほか、スイッチング周波数拡散スペクトル機能を駆動してEMIの改善も可能だという。
特に、信頼性の高いAC/DC力率改善システムやモータ・アプリケーション向けに設計されているため、通信インフラストラクチャ、モータ・コントロールなどの産業用や計装システムやハイパワーの医療用イメージング・アプリケーションに提要可能だと同社では説明している。 なお、同製品はすでに量産出荷を開始しており、1000個受注時の単価は3.60ドル(米国における販売価格)となっている。