米国では年末に向けて、病気などを理由に会社を休む社員が増えるそうだ。同時に、会社員の30%が仮病を理由に休んだことがあるという。もちろん、冬は寒くなり風邪を引きやすい時期ではあるが、「病気」と言いながら、「クリスマスのショッピングをしていた」、「友人や親戚に会っていた」なんて人もいそうだ。

求人情報サービスのCarrerBuilder.comが今年10月、米国の雇用主(企業)と従業員(社員)を対象に、休みを取る時期やその理由について調べた結果を発表した。雇用主としては合計2,696人の管理職と人事担当者が、従業員としては営利企業にフルタイムで勤務する4,384人が回答した。

雇用主側に従業員が病気を理由に休む時期を聞いたところ、最も多い時期は1月から3月(34%)だった。次いで6月ー9月(30%)、10月ー12月(23%)となり、最も少ないのは4月ー6月(13%)だった。

では、会社を休む理由はどうだろう? 雇用主側に欠勤の理由として最も変わったものを聞いたところ、以下のようなものが挙がった。

  • 12歳の娘が自分の車を盗んだから、会社に行く手段がないから今日は休む(この社員は「盗難について警察に届け出ける気はない」と述べたそうだ)
  • こうもりが髪の毛の間に入った
  • 冷蔵庫の下敷きになった
  • カフェで並んでいたところ、小麦粉を山積みにしていたトラックから、自分のノートPCの上に小麦粉が落下した
  • 狩猟シーズンに鹿に噛み付かれた
  • 食べ過ぎた
  • ベッドから落ちて鼻が折れた
  • 犬の風邪がうつった
  • 子供が鼻の穴にミントを入れられてしまい、取り出してもらうために救急治療室に行かなければならなかった
  • 義理の弟がメキシコのドラッグカルテルに誘拐された

「うーん、そういうことも起こるのか」と思えるものもあるが、「本当?」と疑いたくなるものもある。

調査ではまた、雇用主側に欠勤理由を調べるかどうかも聞いた。その結果、15%がちゃんとした理由なしに欠勤したことが原因で社員を解雇したことがあることがわかった。チェックの手段としては、「医師の診断書提出」(69%)、「(自宅や携帯電話に)電話をする」(52%)、「ほかの従業員に電話をさせる」(19%)、「自宅に寄る」(16%)などが挙がった。

勤務時間として、1日の3分の1以上の時間を拘束されるのが会社員の辛いところ。本当は病気ではないのに、病気を理由に会社を休んだ経験がある人も少なくないはずだ。いわゆる、"仮病"というやつだ。やむを得ない場合もあるだろうが、やはりウソはよくない。

CareerBuilderの副社長であるRosemary Haefner氏は、「欠勤が多かったり、ありえないような欠勤理由を述べたりすると、信用を損ないかねない。企業は病気欠勤の定義を柔軟にしており、社員の充電や個人の用事を果たす必要を理解しようとしている」と述べる。思い切って、用事やリフレッシュしたいことを素直に言ってみたほうがお互いのためかもしれない。

調査では、休みを届け出る方法についても聞いているが、回答は、上から電話(84%)、電子メール(24%)、テキストメッセージ(11%)となっており、デジタルコミュニケーションを好む傾向が強まっているトレンドもわかった。