STMicroelectronicsは、ストレージ機器、コンピュータ、USBアクセサリ、企業向けサーバ、生活家電およびデジタル家電などの機器の保有コスト低減に役立つホットスワップ・パワー・マネジメントICの新ファミリを発表した。

同ファミリの第1弾製品としては、5Vもしくは12Vの電子機器において過電圧ならびに過電流に対する保護を提供する「STEF05/12」となっている。2製品は、小型パッケージ(3mm×3mm)で提供される電子ヒューズで、従来の大型ヒューズやその他の保護ICとの置き換えが可能。通常のヒューズと異なり、電源を急激に遮断せず、動作後 の交換が不要なため、機器の使用可能時間が延びると共に利便性が向上することから、維持費を低減することができるほか、トランシルやダイオードに比べ、多用途に向けた保護パラメータを簡単に設定することができるという特長を持つ。

電子ヒューズは、障害発生時に供給電流を制限することで接続されている回路を保護し、障害が継続する場合には最終的に保護されている機器の電源を遮断するもの。システムからの信号や電源の再起動によりリセットが可能なほか、システムが警告を出せるようにするため、割込み時に信号を送信するほか、リセット後も障害が継続している場合、電子ヒューズは直ちに電流を制限し、回路保護のため、電源を再度遮断する仕組みとなっている。

また、保護されている負荷に対する電圧変動を制限する回路が統合されているほか、起動時間の設定が可能なため、企業向けサーバ、ストレージ機器や通信システムなどにおいて、ホットスワップ対応モジュールの使用が可能だ。これにより、システム全体の電源を遮断することなく故障したモジュールを交換し、サービスの中断を最小限に抑えることができるようになるという。

なお、2製品ともにすでに量産出荷中で、単価は、1000個購入時に約0.75ドルとなっている。

STの電子ヒューズ「STEF05/12」