トレンドマイクロは11月16日、企業向け総合セキュリティソフトの新バージョンとして「ウイルスバスター コーポレートエディション 10.6」(以下、ウイルスバスター Corp.10.6)を2012年1月27日より受注開始すると発表した。出荷開始は、2012年1月31日から。

この製品は、独自のクラウド技術「Trend Micro Smart Protection Network(以下、SPN)」を用いて防御力とパフォーマンスを実現した、エンドポイントセキュリティ製品となっている。具体的には、クラウドから提供するセキュリティ技術「SPN」により、不正プログラム対策として必要最小限のパターンファイルだけをエンドポイントに配信し、必要に応じてクラウド上の「ファイルレピュテーション」データベースを参照する「スマートスキャン」、不正なWebサイトへのアクセスを防止する「Webレピュテーション」の基本機能を備えている。また、「仮想パッチ」による脆弱性対策や新オプションの情報漏えい対策を提供する

「ウイルスバスター コーポレートエディション 10.6」概要

クラウド技術を活用

製品の主な新機能と強化点は、「情報漏えい対策機能」、「検索手法の改良によるパフォーマンスの向上」、「WiondowsもMacもスマートフォンも一元管理」。

情報漏えい対策機能は、本製品は1つのエージェントに必要な機能だけを追加できるプラグイン方式でオプションを提供しており、本バージョンで新たに追加した「Trend Micro情報漏えい対策オプション」では、特定のメーカーや機種を指定したUSBメモリの使用制限や、任意の条件に該当するデータのコピー・送信を制限できる。また、管理者がコンテンツ、経路、処理を設定し、エンドポイントを起点とした情報漏えいを防ぐことができるようになる。

コンテンツでは、対象のファイルとして、電話番号やクレジットカード番号など特定のパターンを持った文字列や、特定のカテゴリに含まれる文字列を指定し、その出現回数を任意に設定でき、経路では、USBメモリをはじめとしたリムーバブルディスク、プリンタ、CD/DVD、メール、http、FTPなど、監視する経路を指定できる。

検索手法の改良によるパフォーマンスの向上では、インストール後に作成するデジタル署名キャッシュにより、Windowsのシステムファイルなど安全と判断したファイルや、前回の不正プログラム検索時に安全と判断されて変更履歴のないファイルをスキップして検索することで、手動検索・スケジュール検索時間をウイルスバスターCorp.10.5と比較して約30%削減した。さらに、PC起動時のCPU負荷を監視しOS起動直後は必要最小限のモジュールから段階的にメモリに展開することでOSの起動時間も削減している。

また、Windowsに加えて、Mac OSやスマートフォン/タブレット端末で利用されるAndroid、iOS、BlackBerry、Windows Mobileなど多様なプラットフォームを一元的に管理できるようになった(ウイルスバスター コーポレートエディション Plus、Client/Server Suite Premiumで対応。対応可能なプラットフォームはラインナップによって異なる)。

スマートフォン・タブレットやMac OS VDI環境にも対応

販売される製品と参考価格は、「ウイルスバスター コーポレートエディション Plus」が5,240円、「Client/Server Suite Premium」が8,350円(どちらも税別)となっている(価格は1年間のスタンダードサポートサービス料金を含めた250ライセンス購入時の1ライセンスあたりの使用許諾料金)。