Texas Instruments(TI)は、ノートPC、タブレット端末、サウンド・バー、サウンド・ドッキング・ステーションなどのマルチスピーカ型ポータブル製品のスペシャル・エンハンスト・オーディオ・システムの設計とプログラミングを簡素化するNational Semiconductor(NS)ブランドのクワッドClass-Dスペシャル・アレイIC「LM48901」を発表した。

同製品は、スペースに制約のあるアプリケーションで臨場感あふれるオーディオ品質を実現するために、分散サウンド・プロセッシングとスピーカ・アレイ技術を採用した同社オーディオICファミリ製品の第一弾。

スペシャル・プロセッシングDSP、4個のClass-Dアンプ、18ビット・ステレオA/Dコンバータ(ADC)、フェーズ・ロック・ループ(PLL)、I2SおよびI2Cインタフェースを集積しており、同社が提供するソフトウェアにより、アルゴリズムの調整とDSP専門スタッフを不要にすることが可能となる。

また、最大16のスピーカ・チャネルと複数のサブウーファ構成のサポートを実現するため、複数個によるデイジーチェーン接続が可能なほか、4個のClass-Dスピーカ・ドライバは4Ω負荷に対してチャネルあたり2Wの連続電力を、1%未満のTHD+N(全高調波歪み+ノイズ)で提供し、システム設計の簡素化とBOM(部品コスト)の低減を可能としている。

このため、例えば、魅力的な高品位映像を提供できるワイドスクリーンを採用したタブレット端末の場合、これまで複数のスピーカを非常に狭いスペースに配置していたため、音声の鮮明度と奥行きに制約が発生し、製品全体の魅力が低下する結果になっていたが、同製品と同コンパニオン・ソフトウェア・ツールを用いることで、音場の狭さという問題を解消し、包み込むような臨場感にあふれたオーディオ空間の創出を可能にすると同社では説明している。

なお、同製品は3.2mm×3.4mmの36ピンmicro SMDパッケージと、5mm×5mmの32ピンLLPパッケージの2つのパッケージ・タイプですでに出荷が開始されており、1,000個受注時の単価(参考価格)は2.50ドルとなっている。

携帯機器で2~16個のスピーカを用いて、臨場感のある音場を形成することができるクワッドClass-Dスペシャル・アレイIC「LM48901」