既報の通り、さくらインターネットは11月15日、3月より北海道石狩市に建設を進めてきた石狩データセンターを竣工し、開所した。同日行われた、開所式には同社社長 田中邦裕氏をはじめ、高橋はるみ北海道知事や田岡克介石狩市長らが列席。関係者によって執り行われた神事のあと、開所となるテープカットに続き、電源始動のセレモニーが行われた。
同社の新たなデータセンターとなる石狩データセンターのオープンとともに、11月8日に発表されたパブリッククラウド「さくらのクラウド」サービスもスタートした。
田中氏が郊外型のデータセンター候補地として石狩を初めて視察に訪れたのは、2009年12月。その後石狩データセンターの建設が2010年6月に発表され、2011年3月に工事着工。
今年10月には、同センターの「北海道初の大型センターの建設」と「同地の気候を活用した外気冷房の全面導入、高電圧直流給電システムなどによる省エネルギー効果を高める工夫など」などが高く評価され、竣工前にして、日本データセンター協会(JDCC)が主催する「フューチャーシンキング&デザインコンセプト・アワード」を受賞している。
開所にあたって開かれた記者発表会で、田中氏は石狩の地を選んだ理由として、「札幌から車で30分ほどという立地、広大な土地、冷涼な気候によってデータセンターの消費電力の多くを占める空調コストの削減が見込めること」などのほか、「石狩が海底ケーブルの陸揚げ地になっている」ことや「地震や津波、液状化のリスクが低い」点も挙げた。
田中氏の説明にもあるように同センターは、北海道の冷涼な気候を利用し、ほぼ通年でサーバルームの外気冷房が可能となっている。データセンターのエネルギー効率指標であるPUE(Power Usage Effectiveness)は、通常時の外気冷房の場合で1.11、夏に空調運転を行った場合でも1.21という。加えて、外気冷房により空調コストを約4割削減できる見込みとなっている。
また、東京ドームの約1.1倍となる5万1448平方メートルの敷地に、1棟あたり最大500ラックまで対応できる分棟式の建物を、最終的に8棟まで増設する予定としている。
なお、開所式にあたってデータセンターの内部が公開された。こちらのレポートはおって掲載の予定。
石狩データセンター概要 | |
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建設地 | 北海道石狩市 |
敷地面積 | 5万1448平方メートル |
建築面積 | 7091平方メートル (開所時2棟の合計面積) |
延床面積 | 1万1392平方メートル (開所時2棟の合計面積) |
建物構造 | 地上2階建・鉄骨造 |
ラック数 | 1000ラック (開所時2棟の2棟の最大ラック数。最終8棟で最大4000ラック) |
受電電圧 | 6万6000V(特別高圧) |
供給電力 | 標準8kVA/ラック(最大15kVA/ラック) |
床荷重 | 1000kg / 平方メートル |
設計施工 | 大成建設株式会社 |
開所日 | 2011年11月15日 |