現在、企業ではTwitterやFacebookといったソーシャルサービスの活用を始めている。これらの導入にあたっては入念なプランニングや活用戦略が必要なことは言うまでもないが、今回は失敗例から導入のポイントを学びたい。
ソーシャルメディアの失策として、Open Forumが「3 Social Media Blunders To Learn From」という記事を掲載している。さっそく3つの失敗例を見ていこう。
(1)リアルタイムの双方向チャネルであることを忘れるべからず
Twitterでアカウントを作りキャンペーン情報や製品発表日をツイートする――これは片方向のコミュニケーションであり、通信手段が電子メールからツイートに変わったにすぎない。TwitterやFacebookの長所は、顧客からのコミュニケーションをリアルタイムに得られる点だ。
記事では大手ホスティング事業者「1&1の例を紹介している。1&1でネットワーク障害が発生した時、公式情報がないなか、顧客は情報を求めてツイートを始め、Facebookで1&1のウォールにコメントを書き込んだ。
だが、1&1の反応は遅かったらしく、「障害が発生していると気がつくまでに1時間以上を要した」という。そして、記事では「顧客に意味ある情報を提供したのは、さらに数時間後のことだった」と続ける。せっかくリアルタイムでコミュニケーションできるソーシャルメディアを持っているなら、活用したいところだ。1&1が気が付いた頃には、顧客は不満を示し始めていたというから、同社のイメージに傷がついたと言えそうだ。
教訓として、ソーシャルメディアを使って、迅速な対応、的確・適切な情報提供を行う必要があるとしている。ソーシャルメディアを導入するなら、こうした体制を整えておくべきだ。
(2)外部に丸投げしない
ソーシャル分野でポジションを確立する場合、外部のアドバイスを利用するのはよいが、まかせっきりにしてはよくない。消費者などからすると、企業の公式アカウントによるソーシャルメディアでの発言はそのまま会社としてのメッセージとして受け取られる。
(3)担当者は複数にすること! 1人は禁物
ソーシャルメディアを社内で管理するか、アウトソースするかにかかわらず、担当者1人にすべて任せてしまうのは危険だ。
例えば、自動車会社のChryslerは自社のTwitterアカウントを外部に任せていたが、この担当者、デトロイト地区の人々の運転マナーが気に入らなかったようで、自分のTwitterアカウントでそのことをツイートした……つもりが、Chryslerのアカウントでつぶやいてしまったのだ。
ご存じのとおり、1度ツイートしてしまうとそのツイートを削除したとしても、リツイートなどで広まってしまい、発言は取り消すことはもはや不可能だ。同記事では、「チェック機構のないソーシャルサービスに対し、スマートフォンなどの個人の端末から企業のアカウントでツイートできるようになっていたことは失策だ」と指摘している。