印刷ネット通販といえば、24時間の入稿体制で至急の案件に対応でき、小ロットからの対応が可能にもかかわらず、リーズナブルな価格設定であることが強みだ。ただし、いつでも対応してくれて、低価格になるにはウラがあるのでは? と感じる方も少なくないだろう。そんな疑問を解消するには現場を見るに限る。今回は印刷ネット通販の舞台裏を探るために、アルプスPPSで実際に注文を受けてから印刷出力、そして後加工から発送までの一通りの工程に立ち会ってきた。
ユーザー目線で、印刷用のデータを確定していく
最初に訪れたカスタマーサポート部門を兼ねる2Fのフロアでは、お客様の注文を受けてから印刷出力用に向けてのデータを作り込むまでを担当している。対応するスタッフ全員が、印刷業界15年以上という豊富な経験を持つ印刷のプロばかりであることが、何とも心強い。まずここで、お客様からの注文データに不備がないかを丁寧に見極める。色合い、使用するフォントや特色の有無など、少しでも疑問や不安を感じる点があれば、確認工数を増やしてでも勝手に先に進めないのがアルプスPPSの特徴だ。時にはお客様に電話をかけて、不明点や気になる箇所についてヒアリングも行う。経験を重ねたスタッフだからこそ、問題点を先回りして察知し、かつ決して雑な仕事はしない。効率一辺倒でない制作体制の一端をかいま見ることができた。データ確定前の初校でも元データと修正データを突き合わせることで、ミスの撲滅と適正なデータ作成に努めている。
初校の際の面付け。サイズやページ数が異なる別案件のデータを並べてベテランのオペレーターが印刷の設計図を作る。スペースを有効利用し、コスト削減に努めている。とはいえ、問題になりそうなデータ同士は一緒に面付けしないなど、一定の配慮も欠かさない |
特にお客様とのやり取りを重ねたデータの場合、当初のデータと混同していないかのチェックにも細心の注意を払う。例えば、パラパラ漫画の要領で初校を複数枚あおるなどして、効率的にデータの最終チェックをする
一通り、データの確認ができると、次にCTP(Computer to Plate)に入る。常駐のスタッフを置き、CTPで直接刷版に出力していく。ここから先の工程では、繊細な印刷データや紙を扱う工程に入るため、どのフロアでも適正な室温と湿度を保つようにしてある。
CTPは、印刷通販を始めるにあたって最新のプレートセッターを導入している
第一回は印刷用のプレートづくりまで。次回はいよいよ印刷の工程に入る。