ユビキタスは11月10日、無線LANのかんたん接続を実現するための規格であるWPS(Wi-Fi Protected Setup)において、アクセスポイント側での実装に必要な「WPS Registrar」を開発し、無線LAN向けソリューション「Ubiquitous WPS」の新版として、11月末より評価版の提供開始することを発表した。
2011年7月より開発キットとして提供中の「Ubiquitous WPS」は、無線LAN製品の標準規格策定団体であるWi-Fi Allianceが定めるWPSの最新規格「WPS 2.0(Wi-Fi Simple Configuration Technical Specification v2.0)」に対応しているが、今回、新たに無線LANルータなどアクセスポイント側で必要となる「WPS Registrar」の機能を追加したことで、従来から提供しているアクセスポイントに接続する機器側用機能「WPS Enrollee」と併せることで、より幅広い無線LAN製品に同ソリューションを適用可能になると同社では説明している。
WPS Registrarは、WPS EnrolleeとともにWi-Fi Directに対応するための必須機能とされているほか、無線LANアクセスポイントとしての振る舞いをソフトウェア的に実装することで、無線LANルータを介さずに機器同士が直接接続する場合においても、WPS Registrarが必要となっている。
同WPS Registrar機能は、WPS Enrollee同様、コードサイズが小さいながら高いパフォーマンスを発揮できるため、システムリソースの少ない組込機器でも搭載が可能だ。
また、組込機器の開発において、どのようなOSであっても、開発者が容易に組み込みできるように設計されており、短期間での実装することが可能となっている。
なお、同製品版については、2011年12月までに製品としての出荷を開始する予定としているほか、無線LANモジュールにおける製品展開としては、現行の「Ubiquitous WPS」の拡販で実績のある、村田製作所との取り組みを進めていくとしている。