東芝ソリューションは11月8日、同社が開発したオープンなネットワーク上で安全な生体認証を可能にする技術とユニバーサルロボットのスマートフォンで動作する手首静脈認証ソフトウェアを組み合わせた、オンライン生体認証ソリューションを開発したと発表した。

同ソリューションによって、スマートフォンの標準カメラを用いて手首静脈認証を行うだけで、生体情報をネットワーク上に流すことなく、ネットバンキングやATMなどの決済認証から国民IDなどの政府系ID認証まで、利用者の認証を安全に行うこと可能になる。

東芝ソリューションが開発した「ACBio(Authentication Context for Biometrics)」は生体認証が正しく実行されたことを示すデータ構造規格であり、2009年5月に規格として認められた。任意の生体認証技術とACBioを組み合わせることによって、オープンなネットワーク上で生体認証が利用される場合のプライバシーやセキュリティの課題を解消するとともに、利便性と確実な本人認証を両立することができる。

スマートフォンでの手首静脈認証とACBioを組み合わせたインターネット利用者認証

利用の手順は以下の通り。

  1. 利用者はPCのブラウザからインターネット上のサービスにアクセスする。
  2. サービスから認証を求められる。
  3. 利用者はスマートフォン上で手首静脈認証をする。同時にACBio準拠の生体認証実行に関する証拠データが生成されてPCに送られる。
  4. ACBio準拠のデータはPCを経由して、業務認証サーバに送られる。
  5. 業務認証サーバはACBio準拠データを検証し、利用者を認証する。
  6. 利用者のPCにサービスが提供される。