Texas Instruments(TI)は、エネルギー・ハーベスト向けの次世代電源管理IC「bq25504」を発表した。

同製品を用いることでソーラーパネル、熱電対、電磁力および振動をはじめとしたナノパワー(超低電力)のエネルギー・ハーベストで発生する、マイクロワットからミリワットの範囲の電力を管理するとともに、それらのエネルギーをリチウムイオン電池およびスーパー・キャパシタなどの蓄電池に充電することが可能となる。

過電圧および電圧低下など、蓄電池の保護回路も内蔵しているほか、電池が深放電した場合のシステムのキックスタート機能も提供しており、例えば、室内の照度条件でハンドヘルド機器の電源として使用されるソーラーパネルに用いた場合、使用可能なハーベスト・エネルギーを、従来のリニア・レギュレータ製品と比較して30%~70%向上させることが可能となる。これによりソーラーパネルのサイズおよび枚数を低減できるため、ソリューションの総合的な価格の削減が可能となる。

静止電流は330nAで、80%を超す電力変換効率を提供しており、照度によって出力が変動するソーラーパネルのほか、温度によって出力が変動するTEG(熱電対)などのDC出力のハーベスト素子から得られるエネルギーを最適化するMPPR(マキシマム・パワー・ポイント・トラッキング)も内蔵している。

さらに、ユーザーがプログラム可能であることから、さまざまなエネルギー源および、多様な電気化学反応の電池やスーパー・キャパシタなどの蓄電池で使用可能で、スタート電圧が330mV(代表値)と低いことから、単一セルのソーラーパネルで低照度の場合や、低温度差のTEGの場合でもスタートアップが可能となっているほか、バッテリインディケータによって、外部負荷の条件付きイネーブルや蓄電池の保護が可能となっている。

なお、同製品は3mm角のVQFNパッケージで供給され、1,000個受注時の単価(参考価格)は2.10ドルとなっている。

TIのエネルギー・ハーベスト向けの次世代電源管理IC「bq25504」