さくらインターネットは11月8日、サーバやネットワークを自在に構築できるパブリッククラウド「さくらのクラウド」の提供を11月15日15時より開始すると発表した。
さくらのクラウド |
さくらのクラウドは、高性能なサーバと拡張性の高いネットワークをインターネット上で構築できるIaaS型パブリッククラウド。同社によると「サーバが手元にあり、ネットワークを自分で配線するような直感的な操作が可能なコントロールパネルを装備し、圧倒的なコストパフォーマンスで提供」するとしている。
「開発者志向のシンプルクラウド」をコンセプトに、同社の提供する「さくらのVPS」で培った仮想化の技術的蓄積と運用ノウハウを背景として、さくらのクラウドはすべてを一から作り上げられているという。
11月15日に予定している大規模データセンター「石狩データセンター」の開所と同時にさくらのクラウドの提供が開始される。
提供されるサービスは、仮想1コア・メモリ2GBのプラン1から、仮想12コア・メモリ128GBのプラン13までが用意されている。プラン1の場合は月額2500円から利用でき、同社では「他社の半額から数分の一レベル」の価格としている。
また、サーバ台数を増やすスケールアウトだけでなく、サーバスペックを増やすスケールアップにも対応。インターネット回線の料金はプラン費用に含まれ、トラフィック課金(従量課金)はない。
サーバプラン一覧 |
提供されるインターネット回線は他の利用者とネットワークセグメントを共有する形となるが、ルータを設置し追加IPアドレスを利用することで、グローバル側のネットワークを専用セグメントとすることが可能となっている。なお、ローカル側にも複数のスイッチを設置でき、より安全で柔軟なネットワーク構成を実現できる。
なお、ルータ+スイッチと追加IPアドレスについては、11月末頃からのサービス提供予定となっている。
ネットワークプラン一覧 |
サーバーの作成には、CentOS、UbuntuなどOSインストール済みディスクイメージのパブリックテンプレートが用意されている。また、インストールISOイメージを利用してのインストールも行える。
パブリックテンプレート / インストールISOイメージ一覧 |
サーバプランのディスク容量は20GBになっているが、これはサーバー作成時に変更することが可能となっているほか、ディスクを新規作成して追加ディスクとして利用中のサーバに取り付けることも可能。
また、ディスクのスナップショットを作成して、いつでもそのスナップショットにディスクの内容を書き戻すことができる。作成したスナップショットからは、プライベートテンプレート(ユーザー専用のテンプレート)を作ることもでき、稼働中のサーバーの複製を簡単に作ることもできる。
ストレージプラン一覧 |
サーバが手元にあるように使えるリモートスクリーンや、スイッチとケーブルをユーザー自らが配線するようにネットワークを組めるネットワーク機能など、直感的な操作が可能なコントロールパネルが用意されている。また、コントロールパネルを利用せずに、プログラムからダイレクトに操作が可能となるAPIも提供予定。
リモートスクリーン画面 |
マップビュー画面 |
なお、サービス前のさくらのクラウドで公開されているティザーページでは、コントロールパネルの操作を動画でも紹介している。
同社では今後、パブリックテンプレートの拡充ロードバランサーなどのアプライアンスの提供、IPアドレスの逆引き対応など、サービスのアップデートを計画している。