PLMプロバイダであるシーメンスPLMソフトウェアは、同社の2D/3D CADツールの最新版「Solid Edge ST4」を含むSolid Edgeのためのサプライヤ提供の部品カタログを収録したWebポータル「solidedge.partcommunity.com」を開設したことを発表した。

同ポータルから、Solid Edgeネイティブの3Dフォーマットで、数百万点規模の市販部品やアセンブリモデルへのアクセスが可能になる。同ポータルは、ドイツのパーツマネジメントとプロセスの最適化に特化したソフトウェア開発会社CADENASとのパートナーシップにより実現したもので、同オンライン・カタログを利用することで、購入したサプライヤやカタログ部品を手動でモデリングする作業を不要にすることが可能となる。

また、ユーザーは自社の製品に取り込もうとしているサプライヤ部品の発注可否、入手可否、メーカー保証の有無を知ることもできるため生産遅延のリスクを低減し、競合他社に先んじて製品をいち早く市場投入できるようになるとシーメンスPLMでは説明しているほか、構成した部品の過去のダウンロードの有無の確認や、カタログへのアクセスをプロジェクト固有のログイン画面により管理や制限することができるという。

同ポータルには、実際のソリッド・モデルは収録されておらず、オーダーごとにSolid Edgeネイティブの3Dモデルがリアルタイムに作成される。そのため、ユーザーがバルブやアクチュエータ、ベアリングなどの膨大な数の部品にアクセスするだけで、システムが自動的に部品メーカーへの発注や入手が可能な部品のサイズ、オプション、フィーチャを構成することが可能である。

調べることが可能な部品点数は、数百万点規模の部品の構成が可能なカタログが300点以上収録されているとのこと。そのためユーザーは、特定の部品メーカーまたは部品番号に基づいて標準のカタログ部品を検索できるだけでなく、部品の形状検索も2011年末までには利用可能となる予定で、メーカー名は特定できないものの形状だけは分かっているような場合でも検索が可能になるという。

さまざまなメーカーのパーツカタログが用意されており、その中から好きなものを選ぶことが可能。また、数があまりに膨大なため、探し方も形状から、といったこともできるようになる予定

このほか、部品やアセンブリを選択すると、電子メールを介して関連する情報やジオメトリの完全なパッケージへのアクセスや表示、またユーザのコンピュータやSolid Edgeへの直接のダウンロードが可能なほか、Solid Edgeネイティブの正確な3Dモデルに加え、完全なフィーチャ・ツリーや、部品接続の簡単なモデリングに必要な定義済みのインタフェースも提供されたり、オプションで標準のカタログ部品に関する詳細な製品シートのデータや設計図面に取り込み可能な2Dビューの入手も可能だという。

これら標準部品は、各メーカーにより、Solid Edgeの最終的な製品設計内における幾何学的形状と部品番号、形状の適正、適合度、機能の正確性が保証されており、これにより、最終的にはアセンブリ設計期間の短縮と、追加作業を伴うことなくより現実的なアセンブリや正確な部品リストの作成を実現することができる。

なお、両社は、Solid Edgeの旧バージョンを使用しているユーザーの投資を確実に保護するため、Solid Edgeのバージョン17まで遡り、同バージョンのユーザーによる同ポータルへのアクセスおよびモデル入手を可能にしているほか、すでにSolid Edge ST4にアップグレードしているユーザーの場合、Solid Edgeの起動画面から直接同同ポータルにアクセスできるようになっているという。