東京エレクトロン デバイス(TED)は、米Infinite Power Solutions(IPS)の薄さ0.17mmの全固体リチウムイオン2次電池「THINERGY」の新製品「MEC200シリーズ」の国内販売を開始したことを発表した。

同シリーズは、従来シリーズのMEC100シリーズの電気的特性と薄さをそのままに、電極部分を突起状にすることにより、配線やプリント板への取りつけを容易にしたもの。電極部分にはセンターホールがあるためデバイスの位置決めがしやすく、複数枚の接続も可能であり、これにより従来できなかった実装や検査が可能となり、生産性の向上が可能となった。

また、同シリーズは、リチウムイオン電池の弱点であった100%の充放電の繰り返し回数を10,000回以上に向上させ、10年以上の耐久性や充放電による発熱を電解質の無機化と固体化で低下させることにより、発火や爆発の危険を回避することが可能だ。さらに、最大出力電流を70Cレートまで拡大し、電子回路の簡素化を実現した製品となってる。

なお、同シリーズは蓄電容量1.0mAh/最大電流40mAの「MEC201-10P」と蓄電容量300μAh/最大電流10mAの「MEC220-3S」の2製品が用意されており、今回の提供に併せて価格の見直しも行われている。サンプル価格はMEC201で2400円(税別)、MEC220で900円(税別)としており、スマートカードや環境発電向け蓄電デバイス、組み込み型無線センサ、アクティブRFIDタグなどの分野に向けた販売を進めることで、2013年度で10億円の売り上げを目指すとしているほか、同社が取り扱っている電波からの発電デバイスとの組み合わせによるバックアップシステムの構築など、独自のエネルギーハーベストソリューションの提案も行っていく予定としている。

MEC201-10P(パッケージサイズは25.4mm×25.4mm×0.17mm)

MEC220-3S(パッケージサイズは25.4mm×12.7mm×0.17mm)