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Ruby 1.9系の最新安定版リリースとなる「Ruby 1.9.3 p0」が公開された。Ruby 1.9系は1.8系と比較してさまざまな改善、性能の向上、新機能の追加が実施された最新版とされており、現在採用が推奨されるブランチとなる。Rubyは依然として1.8系も多くのシーンで活用されているが、1.8系の最新版である1.8.7は2012年6月に通常メンテナンスが終了し、2013年6月にセキュリティサポートが終了する予定になっている。Ruby 1.8系を採用している場合には、最新の1.9系への移行が推奨される。
Ruby 1.9.3は基本的に1.9.2の改善バージョンだが、ライセンスが変更された点が注目される。それまでRubyはRubyライセンスとGPLv2のデュアルライセンスのもとで提供されていた。今回、GPLv2が2条項のBSDライセンスへ変更された。BSDライセンスは大きく4条項、3条項、2条項がある。4条項のBSDライセンスがオリジナルのBSDライセンスで、ここから宣伝条項を排除したライセンスが3条項BSDライセンス、または修正BSDライセンスと呼ばれている。ここからさらに条項を減らしたライセンスを2条項BSDライセンスになる(最近ではこの2条項BSDライセンスを指してFreeBSDライセンスと表記するケースもある)。
それ以外では、Unicode 6.0に対する正規表現サポート、マルチスレッドプログラムに対するロック処理の改善、コンソール回りの改善などが実施されている。なお、Mac OS X LionでXcode 4.1を使っている場合にはビルド時に「--with-gcc=gcc-4.2」が必要、Xcode 4.2を使っている場合には「--with-gcc=clang」が必要になるという注意も記載されている。