米Googleは11月3日(現地時間)、検索ランキングのアルゴリズム改良を明らかにした。鮮度の高い情報を、より正確かつ素早くユーザーに提供できる。検索全体のおよそ35%に改善効果が現れるという。
Googleは昨年、検索インデックスの基盤技術を「Caffeine」にアップデートした。従来のインデックスシステムはWeb全体を解析する作業を伴っていたため、最新の情報を検索サービスに反映させるのに時間を要していた。CaffeineはWebを小分けにして解析し、継続的に検索インデックスをアップデートすることで、新しいWebページや更新された情報を素早く反映させられる。今回の改善は、このCaffeineの特徴を強化したものだ。改善効果が見られるポイントとして、GoogleフェローのAmit Singhal氏は以下の3つを挙げている。
- 最近のイベントや話題:現在の例では「occupy oakland protest」(オークランド抗議デモ)や「nba lockout」(NBAロックアウト)など。刻々と状況が変わるニュースやイベント、トレンドの検索において、数分前に公開された情報、または更新されたばかりの情報も検索結果に現れる。
定期的なイベント:4年に一度の「presidential election」(米大統領選挙)や「olympics」、毎年1月に開催される家電ショー「CES」など、定期的に繰り返されるイベント。例えばオリンピックの検索において、過去に大記録が生まれた大会は時間が経過しても色あせない重要な情報だが、多くの検索ユーザーは直近のオリンピックに関心を持っている。今はロンドン・オリンピックまで9カ月を切っており、ユーザーが検索語に「2012年」や「ロンドン」を加えなくてもロンドン・オリンピックの新情報が上位に現れる。
頻繁なアップデート:ホットな話題ではなく、また定期的なイベントでもないが、頻繁に更新される情報。例えば、ユーザーが「best slr cameras」(一眼レフカメラのおすすめ)や、「subaru impreza review」(スバル・インプレッサのレビュー)を探している場合、Google検索は新しい情報を重んじる。
すべての検索において最新の情報が必ずしも最も価値のある情報であるとは限らない。数年前に公開された料理レシピであっても、今も多くの人が参考にしていれば、それはランキングの上位に置くべき有用な情報と言える。「検索の違いによって、求められる鮮度も異なる。今回のアルゴリズムの改善は、こうした検索の違いや、ユーザーが必要とする鮮度の度合いをより良く理解し、ユーザーがきちんと最新の情報を得られるようにデザインされている」とSinghal氏。