カネカは、スマートフォンやタブレット型パソコン向けに急速に拡大しているタッチパネル市場に向けてITOフィルムを開発したことを発表した。

今回同社が開発したのは、スマートフォンなどに使用される静電容量式タッチパネル用の、電極パターンの見えないITOフィルム。静電容量式タッチパネルでは画面内にエッチングによりITO電極のパターンを形成するため、パターンが見えない非視認性が必須であるほか、タッチパネルの大型化のために抵抗が低いITOフィルムの要求が強かった。

そうした要求に対応するため同開発品は150Ω/sq以下の抵抗で高透過率とパターンの非視認性を達成しており、タッチパネルの大型化への対応や低温プロセスによって光学フィルムとの複合も可能だという。

また、将来は太陽電池や有機ELデバイス(OLED)の技術も組み合せ、フレキシブルデバイス基板への応用開発も検討していくという。

なお、同社では2011年度中に16億円を投資し年間80万平方メートルの能力の生産設備を完成させ、2012年4月からの本格販売を開始し、2015年には100億円の販売を目指すとしている。