アドビ システムズから、コンシューマー向け写真編集ソフトウェア「Adobe Photoshop Elements10」日本語版が登場した。「Photoshop Elements」は、プロクリエイションには欠かせない存在となっている「Adobe Photoshop」のパーソナルユース向けバージョン。今回は、その最新版「Adobe Photoshop Elements 10」の新機能の中から、強化された写真の編集・特殊効果・文字入力機能に関する機能をチェックしていく。

2011年10月中旬より販売が開始された「Adobe Photoshop Elements 10 日本語版」。対応OSは、Windows XP(SP3)/Vista/7、MacOS X 10.5.8~10.7

初心者にうれしいガイド機能

最新バージョンでは、利用する機会が多い編集作業のひとつである「写真の切り抜き(トリミング)」の機能が強化された。切り抜きツールで写真を切り取る際に、「三分割法」、「グリッド」、「黄金比」の3種類いずれかをガイドとしてオーバーレイ表示が可能となっており、適切な構図を保ったままトリミング範囲の調整が行える。

新しく追加された切り抜きツールのオーバーレイ表示により、ガイドに従うだけで、美しい構図が手軽に実現可能だ

また、1枚の写真を複数枚に分割して並べ変えて再構成するといった、通常であれば非常に手間のかかる編集作業も、ガイド付き編集から「写真のスタック」を選択するだけ。しかも、分割後の写真は位置やサイズもドラッグ&ドロップで変更できるので自由度が高い。このようにPhotoshop Elements 10なら、前述の新機能をはじめとした多彩なツール群を活用することで、初心者でも迷うことなくプロクオリティーの高品位な写真編集テクニックを再現することができる。

「写真のスタック」なら、1枚の写真を自動的に複数枚に分割した上で、パズルのように組み合わせて簡単に並べられる

手軽に利用できる特殊効果や文字入力機能も

Photoshop Elements 10には、現代の写真表現でよく用いられている特殊効果も新たに追加された。例えば「被写界深度」は、カメラレンズの絞りによってピントの合う範囲が変化する被写界深度を再現する機能。背景をぼかし、特定の被写体のみを強調したい場合などに非常に重宝するはずだ。

面倒な調整を必要とした「被写界深度」の再現も、ガイド付き編集によるステップバイステップの簡単操作で実現できる

さらに、写真にソフトフォーカスの効果を与えイメージをやわらかな印象に仕上げられる「オートン効果」も新搭載。ぼかし、ノイズ、明るさなど各種パラメータの調整にも対応しており、好みに合わせて微調整できるので、オリジナリティー溢れる個性的な作品作りや表現を目指すユーザーはぜひとも利用してみてほしい。

拡散するおぼろげな光彩をイメージに加えられる「オートン効果」では、ファンタジックでロマンチックな雰囲気を醸しだせる

さらに、ツールパネルのテキストツールカテゴリには、選択範囲にもとづいてテキストの追加を行える「選択範囲に沿ったテキストの追加ツール」、四角や円などのシェイプにテキストを追加可能な「シェイプに沿ったテキストの追加ツール」、描画したパスに沿ってテキストを追加できる「カスタムパスに沿ったテキストの追加ツール」の3つの新しいツールが用意された。

「文字ツール」が拡張され、シェイプ、フリーハンドで描いた曲線などに沿って、テキストを自由に配置可能となっている

いずれも個性的な作品作りを目指す画像編集には必要不可欠な基本機能といえるだけに、細かなアップデートではあるがユーザーとっては待望の機能追加といえるだろう。