印刷通販で入稿する際にトラブルになりやすい項目をピックアップしてご紹介する連載第五回。印刷通販サイト「アルプスPPS」の担当者のアドバイスを交えつつ、印刷通販で入稿する際にトラブルになりやすい項目をピックアップして紹介していく。
過去のトピックス
●オーバープリントの処理について/「透明機能」は使っても大丈夫?
●塗り足し」がよく分からない……/「DDCP」ってなんですか?
●「使用しているインキ量が多すぎる」と指摘されてしまった……/
「PDFで入稿してもOK?
●PDF/X-4がイマイチ分からない/
色校も出さずに納品されるのが心配……でも予算不足で色校が出せない!
Microsoft Officeで作ったドキュメント、印刷すると色がくすんで見えるのはなぜ?
Microsoft Office WordやPowerPoint、ExcelはRGBアプリケーション。すなわち、色の指定はカラーも黒も「0~255」のRGBの世界で行われている。一方のオフセット/オンデマンド印刷はCMYKの世界。そのため、RIP処理時などに「RGB→CMYKへのカラースペース変換」が必須となる。
このとき、CMYKカラースペースの色域外となる色は大きく色が変わる場合もあるので要注意だ。また、Officeアプリケーションはドキュメントを開く環境に大きく依存する。たとえば用紙設定やフォントなど、相手先に同じ環境がなければ体裁が変わるため、特殊なフォントなどを使う場合は事前に確認するのがベター。
デジタルの世界は信用できない!?
「印刷関連だけでなく、世の中のソフトウェア全般に言えると思いますが、機械やソフトを全面的に信頼するのは非常に危険な思い込み」とアルプスPPS。確かに、入稿直前の修正で余計な部分を間違って削除したことを知らずに印刷されたり、あるいはデータ入稿の段階でファイルが壊れて読み取れなかったりとデジタルの世界は完全とは言えない。あくまでも道具と言うことを認識し、道具のやり取りをするのは人間だと言うことを理解しておかなければならない。
だとすれば、やはり信頼できるスタッフがいる印刷通販を選びたいもの。むしろ一見無機質なやり取りが続くネット通販だからこそ、こうした「人間の目と手」が重要になってくるのではないだろうか。
トラブルを起こさない、求めた印刷納期で納品される安全なデータ作りをすることは発注者の責任。でもイザというときに頼れる技術と知識をもつ企業を選ぶことも賢い印刷通販サイトの選び方と言えるだろう。