安川電機は10月24日、埼玉県さいたま市に「関東ロボットセンタ」を設立し(画像1)、開所式を行った(画像2)。所在地は埼玉県さいたま市北区宮原町2丁目77-3。稼働日は2011年9月21日だ。敷地面積は2119m2(641坪)で、建築面積は835m2(252坪)、延べ床面積は2518m2(761坪)。従業員は、モートマンエンジニアリング東京事業所のスタッフを含めて、約60名となっている。

画像1。埼玉県さいたま市に完成した関東ロボットセンタの外観

画像2。10月24日に行われた関東ロボットセンタ開所式の様子

同社の産業用ロボット「MOTOMAN」(モートマン)は、これまで国内外の生産設備で多く採用されており、さまざまな産業分野で自動化に貢献しているという。今後もさらなるロボットによる自動化の可能性探求や、積極的な情報発信を行い、顧客の新たなニーズの掘り起こしや創造を行う目的で、今回の関東ロボットセンタを開設したとしている。

同施設では、「来て・見て・触って ロボット体験」をコンセプトにしており、これまでロボットの使用を経験していなかった顧客に対しても、実機を使ったデモやテストを通じて、ロボットへの理解を深めてもらえる施設にしたという。

また同施設の稼働により、ロボットを使った自動化設備の設計・製作を顧客から請け負うシステムインテグレータ(SI)への情報提供や教育などのサポート体制も強化するとした。SI専用の施設を設け、実際に同社のロボット製品を使用してもらい、SIとの関係を強化していく。

さらには、同施設に営業・技術の機能を集約したことで、営業員・技術員一丸となった提案活動・技術相談そして実機を使ったソリューションテスト・各種教育などのビフォアサービスも合わせて強化していくとした。

そのほか同社では、新規事業として環境エネルギー事業に取り組んでいることから、同施設屋上には同社製のパワーコンディショナシリーズ「Enewell-SOL」を活用した太陽光発電設備を設置している。また敷地内の駐車場には、同社のEV用急速充電器「Enewell-CEV」も合わせて設置(画像3)。環境への取り組みの一環として、同社製の技術を積極的に活用していく方針だ。

画像3。関東ロボットセンタの敷地内駐車場には、安川電機製EV用急速充電器「Enewell-CEV」が設置されている

なお展示に関しては、同社のロボット製品のほか、サーボモータやサーボパック、インバータなど同社のモーションコントロール製品も行っている。

今後は、情報の収集・蓄積、分析、活用といったマーケティング機能の強化を製・販・技一体となって進展し、高度化・専門化する顧客のニーズを適切に反映した製品開発を行い、一層の自動化拡大の余地のある産業分野(食品・医薬品・化粧品市場など)への提案・拡販など、ロボット適用分野の拡大をさらに加速させていくとしている。そして、地域住民を対象に公開見学日を設けるなど、地域活動も積極的に参加していくとした。