リコーは10月28日、同社が2007年に発売した高品位でくっきりと読みやすい低容量な組込機器用スケーラブルフォント「RT Font」に、輪郭がなめらかで低容量な「Jet Font」を統合して新たに発売を開始した。また、アラビア語やタイ語など、複雑な表記ルールの言語を正確に表現するための独自ソフトウェア「レイアウトエンジン」をRT Fontに対応させたことも併せて発表した。
MicrosoftのOS「Windowsシリーズ」に用いられている「MS明朝」や「MSゴシック」はリコーが提供しているフォントで、こうしたPC用フォントや組込機器用のフォントとして培ってきた品質やノウハウなどを取り入れた新たなRT Fontは、これまでの「くっきりモード」に加え、直線部分にグレースケールを使用し、やわらかいタッチの文字表現が可能な「なめらかモード」の2モードを選択することができるようになった。これにより、文字表現の幅が広がり、用途に合わせた展開が可能になるという。
また、対応言語の拡張に伴い、言語の特性に合わせた文末処理(ワードラップや禁則処理)機能も拡張しており、これによりRT Fontのみで日本語と欧米系言語、中国語(簡体・繁体)、ハングルのみならず、複雑な構造を持つアラビア語、タイ語、ヘブライ語、ベトナム語にも対応することが可能となった。
さらに、RT FontのフォントデータおよびラスタライザをRT Fontに移植することで、従来からRT Fontの持つデザイン性、表示品位重視の文字表示から、低容量重視でリソースの少ない機器への搭載まで展開が可能になるという。
なお、リコーでは、これによりRT Fontのみで多様な機器でのさまざまな文字表示のニーズを満足させ、またグローバル対応の製品への展開も開発日程の短縮や開発コスト削減が可能になり、効率的に行えるようになるとしている。