jQuery: The Write Less, Do More, JavaScript Library

WebアプリケーションやWebサービスにおいて、Web標準は何にもまして重要な存在となる。Web標準があればこそ、さまざまなブラウザやさまざまなプラットフォーム、デバイスで動作するWebアプリケーションを開発することができるからだ。

しかし、実際にWebデベロッパが要求する機能が、Web標準になった段階では何か別のものになっていたり、まったく使わない機能になっていたりすることは少なくない。現場の意見が反映された仕様書に仕上がらない理由のひとつに、時間的な制約や策定までに長く形式的な処理が必要になるため、Webデベロッパが策定作業そのものに参加しにくいという現実がある。

また、仮に参加できたとしても、Webデベロッパは世界中に分散しており、物理的に近くにいるベンダで雇われている従業員達に比べると、関係が弱いという理由もある。ベンダから参加している開発者は物理的に近くにいる仲間と情報交換を実施することができるが、オンラインでのみ参加している開発者はそうした情報交換が難しい。

こうした現状を改善しようという取り組みがjQueryによって開始された。Webデベロッパ(特にjQueryのユーザ)を代表して標準化団体やブラウザベンダに意見を伝える「jQueryスタンダードチーム」の発足だ。このチームは次の3つを主な目的として活動すると説明がある。

  • W3CやTC39などの標準策定団体に対し、より開発者の現状に合うように既存の仕様の改善や新しい仕様の策定を進めるように働きかけていく。
  • ブラウザベンダに対してどの標準規約を優先的に実装していくべきかを提言していく。
  • jQueryプロジェクトに対してどの標準やブラウザ機能を適用していくべきかを手助けしていく。

「jQueryスタンダードチーム」の発言が個人と比較して高い影響力を発揮できるという根拠としては、すでにjQueryが広く普及し多くのWebサイトやWebアプリケーションで採用されていることが挙げられている。