Qt - A cross-platform application and UI framework |
「Qt Creator」の「C++コードモデル」を現在の実装からLLVM Clangに置き換える取り組みが進められていることが「Qt Creator and Clang」において報告されている。C++コードモデルは統合開発環境Qt Creatorにおいてソースコードそのものを理解する部分。コードモデルがプログラミング言語を理解することでシンタックスハイライトやナビゲーション、イントロスペクション、リネーム、リファクタリングなどの作業が実現できている。
説明によれば、現在の実装よりもLLVM Clangの方が適切な分析を実施できることから、今回の移行につながったとされている。ClangはすでにC++98/03、C99、Objective-C / Objective-C++に対応しており、C++11への対応を進めている段階にある。Clangが出力するエラーメッセーがとてもわかりやすいことはすでに周知の事実であり、すぐれたコード解析が行われていることがわかる。こうしたClangの優れた性能を活用するというのが、今回のClang採用の理由となる。なお、コンパイラそのものは従来通り。
Qt Creatorのみならず、オープンソースプロジェクトや大手ソフトウェアベンダにおけるLLVM Clangの採用が進んでいる。デフォルトコンパイラをClangへ置き換える動きもあれば、今回のQt Creatorのように特定の機能に関してLLVMスタックからどれか機能を採用するという取り組みも多い。ライセンスの扱いやすさもあり、LLVMスタックの活用事例は今後も増えることが予想される。