NECは10月24日、カメラ映像解析技術とRFIDによる個人認証技術を組み合わせて、人物の位置を高精度に推定するシステムを開発したと発表した。同システムは、ビル管理システムなどと連携させることより、オフィスビルにおける電力消費量(およびCO2排出量)を約25%削減できることも実証した。
今回、NEC本社ビルのオフィスで、社員70名を対象に、人物の位置を推定し位置に応じて電力を制御する実証実験を実施した。
特殊なカメラで人の動きの差分を測定する必要があった従来方式に比べ、同システムでは、通常の監視カメラを複数連携して、高精度に人の位置を把握する方式を採用した。また、社員が携帯するRFIDの受信情報や座席情報と関連づけることで、オフィス内の人数や人の位置、属性(IDなど)をリアルタイムに把握し、ビル管理システムを介して、状況にあわせた照明や空調・PC電源の制御が可能となった。
同システムにより、照明については「社員の位置情報から在席状態を認識し、一定時間離席すれば自動的に周辺の照明を消灯」、空調については「オフィスを複数のエリアに区切り、エリア内の人数が一定以下になった時は自動的に連続運転から間欠運転へ変更」、PCについては「自席から一定時間離席すれば省エネモードになり、その後さらに離席が続いた場合、電源オフ」といったことが制御される。