ルネサス エレクトロニクスは、マイコンとアナログ半導体とを組み合わせたシステムソリューションとして、回路構成や特性を変更可能な新タイプのアナログ回路を搭載した製品群「Smart Analog」を発表した。
第1弾製品として、マイコン周辺のアナログ回路を1チップ化し、かつその回路構成を用途に応じてマイコンからの制御で変更できるアナログIC「Smart Analog IC」を製品化。温度センサや光センサなどのセンサアプリケーション対応製品を2012年1月より順次サンプル出荷していく予定だという。
Smart Analog ICは、マイコンからの制御でアナログフロントエンド回路の構成変更や特性の設定が可能であり、温度センサや光センサなどのさまざまなセンサアプリケーションに対応することが可能なため、従来、専用ICでは3~8カ月程度必要としていた開発期間と開発費用を不要にすることができるようになるという。
また、アナログフロントエンド回路を1チップ化していることで、ディスクリート部品で構成した場合に比べ、部品点数で約90%、基板サイズで約75%の削減が可能となっているほか、複数センサを搭載したシステムに対応するためにアナログ回路の構成や、特性を動作中に時分割に切り替えできる機能、ならびに複数のセンサ入力端子によるアナログフロントエンド回路の数の低減が可能となっている。
さらにセンサのバラつきを吸収する製造段階のトリミングをマイコンの制御プログラムとの組合わせにより自動化できるため、製造コストの低減が可能となるほか、出荷後のセンサの経時変化に対する補正も可能で、システムの長寿命化も図れることができる。
なお、Smart Analog ICセンサアプリケーション対応版では、回路構成を変更できるタイプのほか、1つの方式に固定したタイプを2品種用意。サンプル価格は、回路構成可変型で400円/個としており、量産は、全品種を2012年5月より開始し、2013年8月には月産30万個を生産予定している。