文部科学省は10月23日、高い空間線量率が確認された柏市有地の土壌の現地調査を行った結果、地表面から1メートル高さで最大毎時2.0マイクロシーベルトが確認され、原因を推定したと発表した。

10月21日、柏市から文部科学省に対し、市有地において高い放射線量が検出されたという連絡があり、文科省は立入制限などの安全確保措置を講じるとともに、当該物質の核種分析を行うよう要請。柏市が分析を行った結果、土壌中から高濃度の放射性セシウムが検出されたことから、文部科学省職員と日本原子力研究開発機構の専門家が現地に派遣され、柏市・東葛地区放射線量対策協議会の専門家と連携して現地調査を行った。

調査場所は柏市根戸字高野台の市有地。同地において、地表面から1メートル高さで最大毎時2.0マイクロシーベルト、地表面から50センチメートル高さで最大毎時4.5マイクロシーベルト、地表面で最大毎時15マイクロシーベルトが測定された。

周辺の平均的な空間線量率は、地表面から1メートル高さで毎時0.3マイクロシーベルトであり、地表面から1メートル高さで周辺より毎時1マイクロシーベルト以上高い地点のあることが確認されている。

原因としては、空間線量率の高い地点脇の側溝(深さ約30センチメートル)に約50センチメートル幅の破損が発見され、これが半減期約2年の放射性セシウム134が確認された地点に近いことから、福島第1原子力発電所の事故による放射性セシウムを含んだ雨水が側溝の破損口から漏れ込み、当該地点で放射性セシウムが土壌に濃縮・蓄積されたのではないかと推定されている。

調査終了後、該当部分について砂を被せビニールシートで覆われており、措置後の地表面から1メートル高さの放射線量はで最大毎時0.64マイクロシーベルトとなっている。